2024/07/09 (火) 16:10
梅雨も明けていないのに列島は猛暑続き。関東地方でも40度を超えるところもあり、実際にバンクで走っている選手の体感温度はどのくらいになるのだろうかと心配してしまう。恐らくではあるが、50度以上は間違いなくあるだろう。
最近、全国のレースを見ていて、どうしても腑に落ちないことがある。それは何かと言えば、レースカットの多さだ。カットどころか、初日から6車立てのレースがあるのには驚いた。失格や落車があって欠場者が出た場合は仕方ないにしても、初日からフルで走れないのは不思議でならない。
A級もそうだが、S級でも5、6車立てが目立つ。S級は競輪の花形である。関係団体は子どもに競輪の魅力を伝えるべく活動をしている。その中で紹介されるのは、五輪に出場した選手や、S級S班。約2,300人いる競輪選手は、ピラミッド型に一番上がS級S班。その次がS級1班、S級2班になっている。上から2番目のランクにありながら、時としてランク下のA級より少ない人数で走っているのは、おかしくないだろうか。
そもそも斡旋(あっせん)自体に問題があるような気がしてならない。フルゲートで出走できない時点で、競技としてはどうなのかと思う。トップランクの選手が5人で走るなど、申し訳ないが考えられない。筆者が思うに、これは開催過多が原因ではないだろうか? 選手も人間。ましてやオフのない業界において、走り続けていたら、自らの選手寿命を縮めてしまう恐れがある。選手心理は分かる。それを関係団体がいかに汲むかだろう。3日制の場合、前検日を入れれば4日間。さらにナイターやミッドナイトなら5日間、身動きが取れないわけだ。これが月に3開催あると単純計算で12~15日間。この間に、休養も取らねばならないし、練習もしなくてはいけない。もちろん、月2開催ということもあるので一概には言えないのだが、それでも過酷だ。加えてミッドナイトの後に昼間開催があったりする。これでは選手のコンディションが心配になる。
果たして、ファンは5、6車立てをどう思っているのか。関係団体は、アンケートなどでファンの意見を取るべきであろう。そこでファンがどう思っているのかを真剣に考え、どのようにすれば良いのか考えなければならないはずだ。ただ当たりやすいから5、6車立てでも問題ないと考えているなら、大きな間違いだと筆者は思う。
競輪はエキサイティングでなければならない。そこで、だ。S級は全て9車。A級は7車にしてみてはどうだろうか? 以前にも提言したことだが、競輪本来の姿と現在はかけ離れていると感じる。車券戦術でも、7車で好成績を挙げていても、いざ9車になると勝てない選手も多い。これだと車券を買う方は、たまったものではない。
まずはフルゲートでの出走。そしてS級、A級との車立てを別にして開催すべきではないだろうか。
Text/Norikazu Iwai
Photo/Perfecta navi編集部
※掲載写真はイメージで本文とは関係ありません。
***************
【岩井範一の過去コラムはこちら】
北井佑季とファンの思い
石井貴子の復活優勝
開幕直前!高松宮記念杯競輪
全プロ記念に思うこと
ルーキーシリーズの矛盾
悲願のダービー王!
ガールズケイリンの課題
激戦必至!ガールズケイリンのG1戦
新鮮味とは
競輪の醍醐味
岩井範一
Perfecta Naviの競輪ライター