2025/03/31 (月) 17:15
G2ウィナーズカップは、古性優作が圧巻の走りで優勝。面白いことに、古性にとっては初めてのG2制覇となった。冷静に考えれば、G2は勝って当たり前のことだが、改めて古性の偉大さを感じた。そして、古性の前で戦った寺崎浩平の成熟度も感じることができた。
レースは各ラインの思惑が感じ取られた。南関東勢は決勝で郡司浩平が先頭、番手に深谷知広。勝手な臆測だが、もちろん、深谷の地元ということもあるが、グランプリを見据えて郡司が今回は前ということもあったのではないか。売り上げは目標の75億円を大きく上回る83億7314万6000円。目標額の設定が低かったとはいえ、大成功だった。
ウィナーズカップの話はさておき、また競輪界に激震が走った。ガールズケイリン1回生の野口諭実可(大分)のドーピング違反が発覚し、斡旋停止の処分を受けた。北井佑季が処罰されたばかりで、今度はガールズ。これを受けて、JKAはドーピング問題で新たなルールを設けたと報道された。発覚した場合の出場停止処分を長期にし、さらに複数回の選手は登録消除になるという。G2以上の開催についてはドーピング検査を実施するというもの。これは、JKAのホームページで発表されている。
だが、合点がいかない、理解できないことがある。「G2以上で実施」とあるが、参加選手全員に行うのかどうかだ? また、どの時点で発覚したら欠場になるのかどうか? 仮に何人かを選んで行うのであれば、全くをもって意味をなさない。参加選手全員にしてこそ意味があり、JKAの危機感を感じ取ることができる。ホームページを見る限りではあるが、筆者は全員とは受け取れなかった。
また、この複数回というのも違和感がある。複数回とは一体、何回をさすものだろうか? 2回はOKで、3回はダメなのか、2回で登録消除になるのか。この文章だけでは判断しかねる。
そして、ドーピング問題で筆者が一番疑問に思うのは、なぜ北井と野口が公表されたかだ。もし、北井はS級S班、野口もガールズの上位級という理由で公表されたとならば、それは笑止千万。チャレンジレースの選手もタイトルホルダー、S級S班の選手もファンにとっては賭けの対象である。もっと言えば、グレード開催より普通開催が多いのは当たり前のことである。ファンにとって、ランクは関係ないということを分かっていないように思える。
もし、北井と野口以外、公表していないようなことがあれば、残りの2000人以上の選手は「シロ」と世間では思う。万が一、1回目で陽性だった場合でも、キッチリ公表すべきであろう。今回のケースを見ると、実際のところ、その効果は期待できないと思っている。2人以外は問題ないのか? それとも、まだいるのか? 関係団体はここでハッキリ膿をださないと、ファンは離れていくだろう。
Text/Norikazu Iwai
Photo/P-NAVI編集部
岩井範一
Perfecta Naviの競輪ライター