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デビューが待ち遠しい127、128回生

2025/03/10 (月) 10:30

日本競輪選手養成所の第127回生、第128生の卒業記念レースが3月4日、5日の2日間、静岡競輪場で実施された。
127回生は在所2位の三神遼也(23歳・福島)、128回生は在所3位の岩元杏奈(23歳・宮崎)が、それぞれ栄冠に輝いた。両人は一生、卒業記念チャンピオンというプレッシャーの中で戦っていくことになるが、プライドを持って精進してもらいたい。特に三神はナショナルチームにも所属しており、将来性は豊かだ。

三神遼也

今回生だが、忘れてならないのは早期で卒業した市田龍生都がいることだ。最近は、早期卒業制度があり優秀な訓練生が早々とデビューを果たしている。市田は異次元の力をもっており、今回生の中では格が違いすぎた。三神は市田のいない中でのチャンプだが、それはそれであり堂々と戦ってもらいたいものである。
在所1位の尾野翔一(25歳・福岡)は決勝4着ながら、非凡なセンスを要所、要所で見せてくれていた。

尾野翔一

女子の岩元は、スポーツ紙の記事によると、身長は148cm。小柄ではあるが、レースセンスはありそうだ。在所1位で、女子で唯一のゴールデンキャップ保持者である酒井亜樹(23歳・大阪)は兄に拳蔵をもつ。惜しくも準優勝に終わったが、能力の高さはピカイチかもしれない。3着の北岡マリア(19歳・石川)も高校時代から注目されていた逸材で、デビューが待ち遠しい選手のひとりである。注目といった点では北津留翼を父に持つ千羽(19歳・福岡)だろう。今回は決勝には進めなかったものの、父のDNAを受け継いでいるだけに、楽しみでもある。

左から酒井亜樹、岩元杏奈、北岡マリア

今回生については2世が多く在籍した。決勝で果敢に先行した杉浦颯太(19歳・北海道)の父は康一、同じく決勝で走った大塚城(19歳・静岡)の父は英信、丸山留衣(19歳・静岡)は同じく啓一。この3人は高校時代から注目されていた逸材だ。市田には先を越されたが、追いつけ追い越せの精神で頑張ってもたいたい。藤田昌宏を父に持つ楓(21歳・岡山)も父親譲りのガッツで楽しみだ。

卒業記念レースに先立って今月一杯で退任する滝澤正光所長(その後はJIKアドバイザー)と、4月から所長に就任する神山雄一郎氏の会見も行われた。そこで神山氏は漢字の競輪を強調していた。だが、それだけでは難しくなってきている現実もある。漢字の競輪に加え、ナショナルチームのトレーニングを融合させることが重要だと感じている。滝澤所長も就任当初は自らの昭和式の理論で指導していたみたいだが、ナショナルチームの躍進によって、自らが歩み寄ったと聞いたことがある。練習方法に正解はないかもしれないが、柔軟な対応で指導してもらいたい。

Text/Norikazu Iwai
Photo/P-NAVI編集部

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岩井範一

Perfecta Naviの競輪ライター

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