2024/06/10 (月) 08:35
第75回高松宮記念杯競輪(G1)が11日に開幕する。合わせて、ガールズケイリンのG1、第2回パールカップも11日から3日間の日程で開催される。
今年ここまでのG1優勝者は、全日本選抜競輪が郡司浩平、日本選手権競輪が平原康多と今年、S班から陥落した2選手が復活した格好になっている。高松宮記念杯を入れて、残りのG1は4大会。すでにグランプリ出場を決めた郡司、平原の他、賞金でも古性優作や清水裕友は当確だろう。日本選手権2着の岩本俊介もほぼ大丈夫だと考えている。
古性優作
ただ、古性にしろ清水にしろ、タイトルを獲って出るのがグランプリだという共通認識は、当たり前だがある。特に古性の場合は、地元開催であり、高松宮記念杯は近畿のG1であるという責任感があるだろう。そして何より大会3連覇がかかっている。賞金ランクは2位の古性だが、今年のG1の2戦は、「らしさ」を感じられていない。勝ちきることができていない印象を受けてならないのである。全日本選抜、日本選手権は共に優出はしているが、3着、4着という結果に終わっている。今回は是が非でも、どんなことをしても獲りにいくだろう。
脇本雄太
古性の盟友である脇本雄太だが、腰の影響、それだけではないが、日本選手権を欠場。その前のG2ウイナーズカップを優勝しているが、良い時と悪い時の差が激しく、ここ数年の強さが影を潜めている。身体を酷使する競輪選手であるから、毎回満足できる状態ではないのは理解できる。それでも脇本という名前は、競輪を知らない人間でも知っている存在でもある。ネットの記事を見たが、ボートレース場でトークショーを行い、そこで、治療がバッチリでしたとのこと。状態が悪ければ、間近に迫ったG1前にトークショーなど行わないだろう。ここは強い脇本が見られそうだと期待している。
平原康多
ダービー王の平原は、明らかに動きが変わったように感じている。日本選手権を制覇したことによる精神的な部分が大きいとは思うが、それでも走り方は、見ていて安心できるようになった。眞杉匠との関東ラインは、新たなゴールデンコンビと呼ばれてもおかしくないほどになったと思っている。
児玉碧衣
パールカップに目を向ければ、児玉碧衣の独断場だろう。地元開催のG1第2回オールガールズクラシックを制し、現在15連勝と手がつけられない強さを見せている。佐藤水菜がパリ五輪出場のため、児玉に匹敵する選手が見当たらないのが現状だろう。パールカップ2連覇に向けて死角はない。今の児玉を倒せる存在は、残念ながらいないと思っている。3連勝で3個目のG1を獲ることだろう。
そこに、坂口楓華がどこまで抵抗できるかだ。普通の開催で勝っても、やはりG1の舞台で勝たなければ評価は上がらない。オールガールズクラシックではいいところなく敗れ去っただけに、リベンジなるかだろう。
Text/Norikazu Iwai
Photo/Perfecta navi編集部
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岩井範一
Perfecta Naviの競輪ライター