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ガールズケイリンの課題

2024/05/08 (水) 16:04

ガールズケイリンの課題

ガールズケイリンのG1「第2回オールガールズクラシック」は、児玉碧衣が圧倒的な強さを見せつけ3連勝で、自身2個目のG1タイトルを獲得した。メディアの情報によれば、2月に食あたりに遭って1カ月以上の休養を余儀なくされたとのこと。筆者は食あたりになったことはないが、聞くところによると死ぬほど苦しいらしい。3月の「ガールズケイリンコレクション2024取手ステージ」でも精彩を欠き7着に終わっていただけに、女王復活を印象づけた大会でもあった。

児玉碧衣
優勝した児玉碧衣

児玉の優勝は別にして、決勝戦はいただけない。選ばれて勝ち抜いてきた7人なのに、過度のスタートけん制。仕方なく小林莉子が前に出たが、勝負どころになっても誰も動かない。ハッキリ言って、これほどのレース展開はないだろう。ナショナルチームを除けば、間違いなくトップレーサー同士の一戦なのだから。勝ちたい気持ちも分かるが、プロのレースとしては、見る者にどういった印象を与えるのだろうか。このレースのMVPを挙げるなら、小林莉子だと思ってしまう。今後、これがガールズケイリンの課題になってくるだろう。

また、前回も書いたが、4月12日に、トレーニング先の低圧室で意識不明の重体に陥っていた渡辺藤男選手が、4月28日に亡くなった。報道を見ると、苦しい中、自らが携帯電話で119番通報したとのこと。運ばれてから2週間以上、渡辺選手は頑張った。そして、ファンや関係者も意識が戻ることを願っていた。訃報は4月29日の朝、ネットニュースで知ったが、自然と涙が込み上げてきた。
渡辺選手は決して目立ってはいなかった。2番手を主張したり、競りにいったりする競走ではなく、3番手や中団を回って直線勝負にかけるタイプだった。1着では買わなかったが、位置のないときの2、3着では必ずと言っていいほど、渡辺選手を買っていた。インタビューを見ていると、本当に人の良さそうな感じがしていた。57歳にしてA級2班。この年齢になれば、引退したり、チャレンジを走っていたりする選手の方が多い。にも関わらず、2班に在籍しているということは、日頃から激しいトレーニングを行っていたからだろう。それだけ競輪選手と言うのは過酷な職業なのだ。
原因はまだ捜査中とのことだが、死因は低酸素脳症だと発表された。5月1日からは渡辺選手の地元・宇都宮競輪場に献花台が設置され、多くのファンが涙し、別れを惜しんだようだ。画面越しに見せる優しそうな笑顔がもう見られないのは残念でならない。
ご冥福をお祈りします。

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta navi編集部

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岩井範一

Perfecta Naviの競輪ライター

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