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石井貴子の復活優勝

2024/06/18 (火) 14:06

石井貴子の復活優勝

岸和田競輪場で争われたガールズケイリンのG1「第2回パールカップ」は千葉の石井貴子が優勝した。
競輪学校(現・日本競輪選手養成所)、デビューしてからはトントン拍子に出世していった石井。凛とした姿は当時「ガールズケイリン界のももえちゃん」とも呼ばれていた。クールでストイック。浮かれたところが一切ない。勝負に徹する姿は、アスリートそのものだった。ガールズケイリンコレクションは2015年の松戸、17年の高松、18年の平塚と3度、ガールズケイリンフェスティバルは19年の別府大会を制している。紛れもないガールズケイリン界の顔であった。

そんな石井の名前を表舞台から聞かなくなったのは21年の春くらいだと記憶している。京王閣競輪場でのガールズケイリンコレクションで落車をし右鎖骨、肋骨骨折。加えて肺気胸の大けがに見舞われた。復帰後も本来のパフォーマンスは見られず、苦戦が続いた。それでも石井は、自らを信じて戦う日々を送った。徐々に感覚を取り戻していったが、23年、練習中に落車し約4カ月休養せざるをえなかった。

石井にはプロとしての自覚がはっきりある。当たり前の自覚ではあるが、実際の所、メディアの記事や写真を読んでも、それを感じさせない選手が多いと感じていた。だからこそ、石井の復活Vは筆者も嬉しかった。余談だが、車券は外れた。だが、外した以上に、この復活には感動したものだ。

残念だったのが児玉碧衣だ。予選は2、準決勝は4着でまさかの敗退。確かにもがく距離が長かった面もあるにせよ、この結果を誰が予測できただろうか。もちろん、1年365日、完全な状態で戦える選手はいないだろう。オフがない競輪選手にとっては、なおさらだ。しかし、児玉は昨年大会の優勝者でもあり、前回のG1「オールガールズクラシック」のチャンピオンでもある。どこが悪かったのか、それは本人以外、知る由もないだろうが、残念でならない。ナショナル組が不在の中、ガールズケイリン界を引っ張る存在としての責務の重さはあるだろうが、今回の結果は悲しすぎた。


パールカップのガールズ西準決勝・第12レースのゴール

もうひとり、残念だったのが坂口楓華であろう。普通の開催では無類の強さを見せる坂口だが、オールガールズクラシックに続き、またもや決勝進出を逃し、ファン以上に本人はショックだっただろう。大舞台で結果を残せてこそなのだから。
一方、頑張ったレーサーは、やはり當銘直美だろう。連勝で勝ち上がり、決勝でも人気を集めていた。決して目立つ感じではないが、安定感がある。今回は安定感ではなく、児玉を追い込み2勝なのだから一皮むけたかもしれない。変に動くより追い込みとしてのキャリアを積んでいけば、可能性は広がるだろう。

締め切りの関係で、高松宮記念杯競輪については次回、書いていきたいと思う。

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta navi編集部

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岩井範一

Perfecta Naviの競輪ライター

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