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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】湘南ダービーに出場する野田源一選手を解説!

2021/09/30 (木) 12:00 8

加藤慎平の「筋肉診断」。今回は平塚競輪「湘南ダービー(GIII)」に出場する野田源一選手を解説する。

⚫︎野田源一

撮影:島尻譲

撮影:島尻譲

 身長167cm、体重は72kgと小柄、年齢は筆者と同じ42歳ながら、いまでもS級自力選手として活躍。『ゲンちゃん』の愛称で、いまでもS級上位戦でも『捲くり1発』を武器に、高配当を演出している。

 通常、小柄な選手で活躍している選手の多くは、体幹部から大腿四頭筋の筋量がとりわけ多い。しかし、野田選手は筋量があるタイプではなく、背丈のわりに関節が長いわけでもない。遺伝的素質に恵まれているようにも感じない。

 特質した筋肉を持つわけでもなく、いまなお活躍し続ける野田選手の武器はなんなのか。筆者は「強気なレーススタイル」にあると考える。野田選手は「単騎のゲンちゃん」と呼ばれ、どんなメンバー構成でも力を出し惜しみせず、常に1着を目指す信念がある。

 決してソロプレーをしているわけではない。たとえライン1人になっても勝負を絶対に諦めないと言う意味だ。「僕の後ろは好きに回ってください。けれど、僕は自分のレースで1着を目指します」という意思表示なのだ。

 カッコよすぎる。野田選手を毎レース買い続ける『ゲンチャマニア』も存在する。根強いファンに支持される、唯一無二の存在と言うことがうかがえる。

 余談だが、筆者の仲間内では友人に食事や遊びに誘われた時、誘いを断る事を「ゲンちゃる」と言う。意味としては「単騎(一人での行動)を好み、断る意思が固い」とも言える。どんな時に使うか、ざっと一例を書くと…。

(例)先輩『今日飯でもどう?』筆者『あーすんません。今日はちとゲンちゃりますわ』先輩『ゲンちゃるならしゃーないな。また明日練習よろしく』といったかんじだ。

 逆に、「場の空気を読んで、誘いを断らない」といった意味の、「ワシコる」という造語も存在する。ネタ元は鷲田幸司選手だ。こちらも参考までに用例を挙げておく。

(例)筆者『コージ、いきなりだけど明日からのペーチャンネルゲスト来れる?13時渋谷』鷲田『オケっす』筆者『ワシコるねぇ〜』的なニュアンスだ。

 競輪ファンも、この機会にぜひ使って欲しいと思う。

⚫︎本レースで注目すべき選手は…?

 新田祐大選手、郡司浩平選手、清水裕友選手、古性優作選手が揃った超豪華メンバーの一戦。

 気になるのは新田選手の状態だろう。東京オリンピック後、国内で数場所を経験し、やっと400バンクと競輪フレーム(クロモリ)にアジャストしてきた印象だ。今回は9割方フィット出来れば、超一流選手だけに、4日間力の違いを見せつけてしまうかもしれない。

 ここで対抗格1番手に上げたいのは古性選手。直近で欠場もあったが、前場所「オールスター競輪」で見事タイトルを獲得。今回は非常に注目を集めるだろう。縦横無尽の縦横攻撃で、新しい競輪を見せつけてくれるはずだ。

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加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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