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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】共同通信社杯に出場する郡司浩平選手を解説!

2021/09/16 (木) 12:00 2

加藤慎平の「筋肉診断」。今回は伊東競輪「共同通信社杯(GII)」に出場する郡司浩平選手を解説する。

⚫︎郡司浩平

撮影:島尻譲

撮影:島尻譲

 身長は167cmとS級上位の自力選手としては小柄な部類だろう。だがしかし、郡司選手の競走能力はすべてにおいて完璧だ。先行・捲くり・レースの組み立て・横の捌き・追走技術どれも超一流レベル、言うなれば「オールS」だ。

 携帯ゲームアプリなら、相当課金しなければ到達出来ないステータスである。今の競輪界で「オールS」のレベルは、郡司浩平選手と松浦悠士選手の2人しかいないだろう。

 郡司選手の能力の高さはどこからきているのか。その要因は、体全体に付着している筋肉のバランスにあった。

 たいていの競輪選手は、筋肉バランスが下半身優位になってしまうのだが、郡司選手は丸みを帯びた筋肉が体全体にバランスよく付着している。どこかの部位だけが大きくなっているような事は無く、体つきがパーフェクトに近いのだ。

 そのなかでも筆者のお気に入りは、大胸筋(胸)から三角筋(肩)にかけてのライン。各部位の輪郭がクッキリしており、肩部は小さなメロンが入ってるようなフォルムだ。それでいて、乗車フォームに固さが感じられず、肩甲骨から股関節にかけての動きが非常にスムーズなのだ。股関節の高速回転を上半身が上手くガイド出来てる証拠と言える。

 上半身と下半身がうまく連動できていることで、いかなるレース形態やトレーニング理論にも対応できる。郡司選手は、現代競輪において必要不可欠な「対応能力」がずば抜けていると言えるのだ。

 その上、深谷知広選手の南関東移籍も、郡司選手にとってはすさまじい追い風となる。2021年、「グランプリ制覇」という偉業へ機は熟した。

⚫︎本レースで注目すべき選手は…?

 兎にも角にも注目は脇本雄太選手だ。彼の脚力はSS級レーサーと比べても図抜けている、1横綱8大関と言っても過言ではない。当然、脇本選手を中心とする近畿勢が浮上する。

 ただ、そもそもラインが機能するかどうかという懸念もある。ラインの総合力で、他勢も付け入る隙はある。

 筆頭として挙げたいのは、やはり松浦悠士選手と清水裕友選手を中心とする中四国勢だ。松浦選手は脇本選手への対策を綿密に練る選手なので、そのあたりも注目したい。

 浅井康太選手が復調した地元中部勢にも期待したい。山口拳矢選手の走り方次第な部分はあるものの、決勝でも捲くりでアッサリ仕留めてしまう可能性は充分だ。

 グランプリ2021を占う意味でも、高額賞金が設定されている本競走から目が離せない。

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加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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