2023/03/09 (木) 12:00 7
加藤慎平の「筋肉診断」。今回は松山競輪「金亀杯争覇戦(GIII)」に出場する佐々木豪選手を解説する。
⚫︎佐々木豪
公式プロフィールでは身長184cm、体重は93kgと、超ド級のフレーム(身体の大きさ)を持っている。
そのフレームに見合った素質を持ち、デビュー時からトップ戦線での活躍を期待されてきた。当然、持ち味は豪快な自力戦。カマシが印象的で、ひとたび決まれば115点クラスのSS級選手とも互角に張り合える時もある。
しかし逆に言うと、自分の“得意な展開”じゃないと、平気で格下相手にも取りこぼす。現状、実に大味なタイプの選手。“自分が仕掛けたいタイミングでは強いが、意図しない展開になった時力が半減する”、伸び悩む自力選手にありがちなパターンだ。
しかし、これは経験と年月で後天的にカバー出来る。自力選手が佐々木選手の番手に付いた時は、非常にアグレッシブかつ責任感の強いレースをすることが多い傾向にある。出だしのきっかけさえ掴めば、佐々木選手は間違いなくトップ戦線に食い込んでいけるはずだ。
今後の課題は、自力強化や位置取りからの捲くりなど尽きないだろう。中四国にも後輩の自力選手が台頭し、番手戦も増えてくる。
絶対的な脚力を持っているだけに、適性的にはラインの先頭で力を発揮するタイプだが、そうは言ってられない。皆に信頼して貰えるような立ち回りも必要だ。
実に悩ましい……。どうする? 豪する?
加藤慎平
Kato Shimpei
岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。