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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】桜花賞・海老澤清杯に出走する河端朋之と南修二を解説!

2021/04/07 (水) 12:00 4

「筋肉診断」定期連載の記念すべき第1回は、川崎競輪場で行われる桜花賞・海老澤清杯(GIII)に出場する選手を解説する。今回加藤慎平が選んだのは、河端朋之と南修二!

●河端朋之

 ナショナルチームで活躍する河端は、2018年にUCIトラック世界選手権 男子ケイリン銀メダルを獲得している。身長は170cmと自力選手としては小柄な部類だが、全体的に丸みを帯びた筋肉はバランスに優れている。体重は80kg超、小柄な体型を充分に補う事が出来る筋量の持ち主である。

 筋肉の付き方はまさに『ザ・スプリンター』。瞬発力をつかさどる部位の盛り上がりが特に目立つ。筋肉が関節間に太く短く付着しており、非常にメリハリを感じるルックスだ。

 大腿四頭筋の盛り上がりもさることながら、特筆すべきは上半身の筋肉だろう。強力なダッシュに必要な脚のパワーを100%出し切るためには、それ同等にビルドされた強靭かつしなやかな上半身の筋肉が必要となる。

 そして広背筋上部から僧帽筋のライン。思わず惚れ惚れしてしまう。パワー出力が一気に出過ぎてしまうことが、ウィークポイントである後半の減速に繋がってしまっているのではと思うほどだ。

 河端のバランスのとれた流線型の乗車フォームはメリハリのある体型を証明しているのだろう。

●南修二

 身長は170cm、体重は80kg超と上記の河端とデータ上ではほぼ一緒だが、見た目は面白いほど明らかな違いがある。

 体幹部が太く両足の付け根から足の先端に掛けて非常に細くなっているのが南の特徴である。太く発達した両脚の付け根部から一気にシェイプされた膝関節、そしてさらに細くなる足首に掛けてのシルエットは迫力満点。とくに膝から足首に掛けてのラインは陸上100m世界歴代2位のヨハン・ブレイクを彷彿とさせる。当然、スプリンタータイプの骨格だ。

 中臀筋から大臀筋にかけての筋量も申し分なく、特に身体の真ん中(体幹部からお尻)が太く見える。

 四肢がさほど長くない事もあり重心も低く、横の動きも非常にクイックネスだ。

●本レースで注目すべき選手は…?

 自力SS班が郡司浩平、清水裕友と非常に強力なラインナップとなった。

 両名に機動力で対抗出来そうなのが新山響平、松井宏佑、山崎賢人、そして今回取り上げた河端朋之あたりか。河端は清水に番手を回ってもらえれば鬼に金棒だろう。確実にフィットすると言える。

 松井ー郡司のラインも脅威だがダークホースは古性優作。ハンドル裁きは競輪の新境地に達しているので着順以外にも注目したい。

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加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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