2025/07/13 (日) 12:00 7
7月14〜16日の3日間、京王閣競輪場で「シン東京ミリオンナイトレース(GIII)」が開催される。ナイター開催の3日制GIIIで、協賛競輪の3日制GIIIはあったものの、今回は7月26〜28日のデイ開催「東京オーヴァルカップレース(GIII)」と合わせて、“前節後節”といった建付けになっている。
2002年4月からグレードというシステムが導入され、記念は4日制のGIIIという形になったのだが、その以前は3日制を2節、前節後節という形で記念を開催していた。S級とA級のレースがあり、趣があった。
私個人としては競輪ファン時代に2年ほど3日制の記念があったものの、詳しい状況はわからない。詳しい人が教えてくれたのは「A級は全国的に知ってほしい若手をよく呼んでいたんです」ということ。かつてはインターネットもなく、選手の走りを見るには本場で。トップ選手や地元の選手の躍動に加え、将来有望な若手を知ってもらう場でもあったそうだ。
7月14〜16日の「シン東京ミリオンナイトレース」はS級9車立て7個レースと、ガールズの普通開催を2個の全11レース制になる。様々な試みを、これからも競輪を長く続けていくために…と挑戦するものでもある。現在の売り上げが好調ということにあぐらをかいていない。競輪界全体の姿勢だ。
それにしても山崎賢人(32歳・長崎=111期)がいて、和田健太郎(44歳・千葉=87期)、岩津裕介(43歳・岡山=87期)の実力者や、伏見俊昭(47歳・福島=75期)、堤洋(49歳・徳島=75期)、新田康仁(49歳・静岡=74期)に山口富生(56歳・岐阜=68期)など3日制を知るベテラン、地元勢も若手が燃えるだろうし、中釜章成(28歳・大阪=113期)にも大いに期待したい。
黒瀬浩太郎(25歳・広島=123期)と栗山和樹(28歳・岐阜=125期)という新鋭もいて、楽しみは増すばかり。平日の3日間だが、ナイター開催なのでぜひ、本場に足を運んでほしい。
2023年10月の記念で決勝に乗った中釜は当時、決勝に乗ったことで「金持ち」と連呼していたわけだが、今回は優勝して「金持ち!」と叫ぶことができるか。暴走失格で稼げなかった時、ご飯を食べさせてくれた人たちに恩返しの優勝を届けられるか。
競輪あるあるの一つで「見ている方は楽しいけど、選手は大変!」というのがある。今回のガールズ2個シリーズはAに石井寛子(39歳・東京=104期)と児玉碧衣(30歳・福岡=108期)の名前があり、Bには梅川風子(34歳・東京=112期)と太田りゆ(30歳・埼玉=112期)の名前がある。
他にも、間隙を突かんとする選手がたくさんおり、大変なメンバーだ。ガールズのGIII創設も待たれるところだが、現状の人員稼働の具合を考えると少し難しいか。よりよいものへ、また長く続く競技としてに関しては長く広い目が必要だろう。
Bに追加で入ってきた大浦彩瑛(29歳・神奈川=124期)も旋風を起こしている一人。新人選手たちも果敢な仕掛けが目立ち、新しい活力が芽吹いている。今回の3日制GIIIの中に組み込まれたガールズの戦いの意味を、選手たちは示してくれるはずだ。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。