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平原康多の勝ちペダル

【#30】KEIRINグランプリを獲るのに一番必要なもの「今年、それを見つけたい!」

2022/12/03 (土) 20:00 62

今年最後のG1、競輪祭を振り返ります!(撮影:島尻譲)

11月の平原康多選手は、四日市G3と、G1競輪祭の2本に出走。四日市は今年初めて落車以外での途中欠場となりましたが、競輪祭では見事に立て直して決勝進出。10年連続13回目のKEIRINグランプリ(以下GP)出場も決まりました。


こういうのが競輪選手を“すごい”と感じる瞬間…

ーー今年のG1全日程終了お疲れ様でした。今年を振り返って今、どんな気持ちですか?

 常にG1優勝を目指しているので、そういった意味では悔しい気持ちが強いですね。

ーーとはいえ、6つのG1で4度の決勝進出。ファン目線では見ていて安心感がありました。

 本人的にはまったく安心感なんてなかったです。でも、GPに乗れたことは良かったです。

ーー30日の関東地区プロを欠場しましたが、体調は大丈夫ですか?

 競輪祭が終わって疲労感が出たし、少し発熱もあったので、これは休めってことかなと思いました。でも、すぐにウエートトレーニングから練習を再開します。

ーーでは、その競輪祭の死闘を振り返っていただきます。まず、競輪祭は1次予選がポイント制で、SS班の優遇がありません。この辺はどうですか?

 やっぱり初日から気を引き締めていかないといけないし、緊張感はあります。調整に関してはいつも通りなので、気持ちの問題ですね。

「初日から気を引き締めていかないと」(撮影:島尻譲)

ーー初戦は、前々自在のお手本のような完璧なレースに見えました。

 直前の四日市がダメで、そこまで使っていたものに見切りを付けたんです。小倉は新車で新しいセッティングで行ったんですけど、それがうまくハマりました。レース中は周りも見えていました。

ーー1次予選は連勝でしたが、2走目は少しヒヤリとするレースでした。

 みんなが前々に行こうとしたので、インも切れずでした。最後も松坂洋平のまくりの上を強引に行っていたら危なかったかもしれない。結果的にうまくいった感じですけど、飛んでいた可能性も全然あったと思います。

ーーダイヤモンドレースは、かなり後味が悪くなってしまいました。

 森田(優弥)の外退避のタイミングと、ヨシタク(吉田拓矢)が外を踏むタイミングが合ってしまった。後ろで見ていて僕はやばいと思ったので内に退避しました。自分に余裕がなければ、一緒にコケてたと思います。ヨシタクはGP争いもあったのに、2連続の落車は可哀想でしたね。

ーー準決勝は坂井洋選手が最高のレースをしました。

 うまく決まって良かったです。あんなに頑張ってくれたし、自分も坂井を何とか残そうという気持ちで走っていました。

坂井洋選手と(撮影:島尻譲)

ーー3番手から突き抜けた小原太樹選手には空気読めよと思いませんでしたか?(笑)

 ははは、全然そんなことないですよ(笑)。小原は3番手で仕事もしてくれていたし、他地区だけどめちゃくちゃいい選手だと思いました。

ーー地味ですけど(笑)。

 それは言いづらいです。めちゃくちゃいい選手だったでいいじゃないですか(笑)。

ーー準決勝でもう1つ印象的なシーンがありました。清水裕友選手が叩けず、平原選手のところに降りてきましたね。

 1度坂井に突っ張られた時点で、清水は中団並走で(北津留)翼と勝負だろうなと思っていました。そしたら、またカマして勝負してきた。こういうのが競輪選手をすごいと感じる瞬間なんです。やっぱり清水は清水だった。

清水裕友選手との激しい攻防(撮影:島尻譲)

ーーその清水選手はGP争いから脱落してしまいました。

 それは誰にでもあることだし、また来年勝負すればいい。彼はいい選手なんですから。

ーー決勝の東北の並びはどう思いましたか?

 まあそう並ぶだろうなと、想像通りでしたよ。ただ、レースの初手の並びが想像、理想とだいぶ違いました。

ーーSを巡って3人が争う格好になりました。どの位置が欲しかったんですか?

 前は取りたくなかったんです。ああなると郡司(浩平)との意地の勝負だったけど、彼は折れなかった。あそこまでスタート位置を争った経験はあまりないですね。郡司の執念を感じました。

ーー結果的には新山響平選手がチャンスをつかみました。これでGPは東北が4人になりました。

 ですね。かなり東北に厚みが出てしまいました。

ーー昨年一緒にいた宿口陽一選手も吉田拓矢選手もいません。

 今年の関東は若手の成長が見られたし、誰か乗って欲しかった思いはあります。でも、GPを1人で走ることは初めてじゃないので、しっかり準備するだけです。

ーーGPまでのスケジュールは?

 出ていたあっせんは全て欠場してGPに備えます。作戦や、どの自転車を使うかもこれからゆっくり考えます。

関東からはただ1人のGP出走も…「しっかり準備するだけ」(撮影:島尻譲)

酒乱ではないですよ(笑)。

ーーでは、今回はファンの方から質問が来ていたので、お答え下さい。

Q.山田うどんについてどう思っていますか?(神奈川県/30代/?)

 最初がそれですか(笑)。埼玉といえばってやつですよね。身近すぎてあるのが当たり前というか…。

ーーどうやらあまり行かない感じですね(笑)。

 行かないですね(笑)。

Q.平原さんは感情的になることはあるんですか? あと、お酒を飲むとどうなりますか?(山形県/40代/女性)

 人間なので感情的になることはありますよ。でも、他人に対してというよりは、自分にイライラすることが多いです。レースであの時、何であの動きが出来なかったんだ! とかですね。お酒はちょっと陽気になるぐらいで、そこまで変わらないと思います。酒乱ではないですよ(笑)。

Q.はじめまして競輪歴5年ぐらいのファンです。平原選手から見た村上義弘という方はどんな感じでしたか?(大阪府/50代/男性)

 一言で言うなら、「道しるべ」かな。自分がしたいことを村上さんが体現していた。漢字の「競輪」そのもののような人でしたね。

Q.平原選手が考える、グランプリを獲るのに一番必要なものとは何ですか?(埼玉県/40代/男性)

 まだGPを勝てていないので、今年、それを見つけたいと思います!

(文中敬称略)

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平原康多

Hirahara Kota

埼玉県狭山市出身。日本競輪学校87期卒。競輪選手・平原康広(28期)を父に持ち、その影響も受けて高校時代から自転車競技をスタート。ジュニア世界自転車競技大会などで活躍し、頭角を現していった。レースデビューは2002年8月5日の西武園。同レースで初勝利を記録。2009年には高松宮記念杯と競輪祭を制し、2010年も高松宮記念杯で勝利。その後もGⅠ決勝進出常連の存在感を示し、2013年は全日本選抜、2014年と2016年には競輪祭、2017年も全日本選抜などで頂点に輝く。最高峰のS級S班に君臨し続け、全国の強者と凌ぎを削っている。

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