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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

共同通信社杯決勝 和田真久留選手の走りについて

2022/09/23 (金) 06:00 71

 競輪界には、永遠に結論の出ないテーマがいくつかある。

 2段駆けはありか…、3番手が踏むのが早すぎないか…、前受けは有利か不利かなど、議論を重ねても結論は出ない。その価値観が合う人同士で競輪を論ずれば良いし、自分の競輪感と合う選手を応援したり、その選手の車券を買えば良いだけだと思う。SNSで、レースの不満を口にする選手がいるが、トップ選手は間違っても、そんな Twitter の使い方はしない。

和田真久留

 さて、名古屋・共同通信社杯の決勝。

 結果はご存知の通りで、腹をくくった郡司浩平の優勝。グランプリの賞金争いを考えて、和田真久留が前で発進? との希望的観測をする記者の見方もあったが、神奈川3人の話し合いで、一切そんな話は出なかったという。この辺りも、郡司浩平が男らしく人気のある所以。郡司が逃げた時は、和田からというのも車券戦術のセオリーのひとつだが、そんな展開にもならなかった。自分が和田真久留の立場なら、ヨコの仕事に徹しないで、タテに踏んでいたと思う。

 ここからは、個人的な勝手な意見を述べたい。和田選手は人の後ろも増えたが、マーク屋ではない。その理由からも、番手から出ても問題ないと思う。しかも3番手は神奈川の重鎮になりつつある内藤秀久。内藤選手にチャンスのある仕掛けという理屈も成り立つからだ。

 誰もが知る、S級上位の選手に何人か聞いたが、そこでも選手の考えが分かれるという。せっかく行ってくれたのだから、シビアに走り、そのチャンスを活かすべきという意見。あとは、普通に前がS班で格上の郡司だから番手の仕事をするのが当然という意見。

郡司浩平

 和田選手にしてみれば、まだ若いし、その後に何度もチャンスがあると思ったかもしれない。長年、この業界にいる老害記者になると、スターになれる選手は一握りの選ばれし人間。ほとんどの選手の輝きは一瞬と言っても良い。世の中の無常さ、儚さと、競輪はリンクする。

 和田選手が、もし2センターから踏んでも、松浦悠士選手と併走になっているから遅かったと思う。そこでは松浦選手の技術にはかなわない。優勝するには、バックから出て、併走の仕事は内藤秀久に任せるのがベストだったはず。もちろん、それは内藤選手に抜かれるのを覚悟してだ。その辺りの事も、普段から、おべんちゃらを使わない内藤選手なら本音ベースで、包み隠さず話してくれると思う。和田選手は怪我をしてしまったが、また復帰した時は、本人から真意を聞いてみたい。

内藤秀久

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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

町田洋一

Machida Yoichi

基本は闘うフリーの記者。イー新聞総合プロデューサー、アオケイ・企画開発パブリストの肩書きも持つ。自称グルメでお酒をこよなく愛す。毒のある呟きをモットーにして、深夜の戯言も好評を得ている。50代独身で80代の母親と二人暮らし。実態はギャンブルにやられ、心がすさみ、やさぐれている哀しき中年男である。

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