2025/11/12 (水) 12:00 9
小田原競輪場で「第13回施設整備等協賛競輪 NO KEIRIN NO LIFE CUP(GIII)」が11月13〜16日に開催される。「開設76周年記念 北条早雲杯争奪戦(GIII)」が終わったばかりで、2週連続の小田原GIIIが燃えている。
記念決勝は郡司浩平(35歳・神奈川=99期)が先行、松井宏佑(33歳・神奈川=99期)が番手まくりで優勝した。郡司は今の松井、また神奈川や南関に対しての思いをぶつけたと思う。冷静に、それでいて熱く。GIでは苦汁をなめている今年だからこそ、先頭で走る意味を改めて表現しているようだった。
その時、4番手を回っていたのは菅原大也(33歳・神奈川=107期)で、レース後は雨のせいなのかどうかだが、目は真っ赤だった。菅原は自力選手なので格的に先頭でもおかしくなかった。「次、前を任せてもらえるように、次節から頑張ります」と静かに話していた。
この決勝の並びの重み、郡司の走りの意味を胸に、しっかりと背負っていく。
塩島嵩一朗(25歳・神奈川=125期)は前橋「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」でGIデビューし、いきなり存在感を発揮した。続く小倉は3連勝でS級初優勝を手にした。『郡司より強い』が現在のキャッチフレーズとなっている。
練習では強い、という選手がいるケースもあるのだが、塩島の潜在能力はまだ計り知れない。郡司が真顔で「塩島は練習仲間の中で抜けて強いです」と話すほどだ。釣りを愛する朴訥とした青年。この4日間、どんな走りを見せてくれるのか。
無論、直前の記念で先輩たちが見せた走りを受けてになる。求められるのは高いレベルの内容。競輪をできるかにかかってくる。リールをどう巻いていくのか。注目したい。BLANKEY JET CITYに「ガソリンの揺れかた」という曲があるが、塩島の奏でる曲は「リールの巻きかた」だと思う。
(編集部注:塩島嵩一朗選手は今開催欠場となりました)
ここを走るということは、競輪祭に出られないということ。伊藤颯馬(26歳・沖縄=115期)と阿部将大(29歳・大分=117期)だ。九州のキーマンとして活躍を見せてきたのに…今ここにいる。
大きな壁に当たっている。タテ勝負に加え、ヨコも苦にしない2人なので大崩れはしないはずなのに崩れている。自分の思うように走れればよいが、そうでないと脆い。競輪は自分との戦いもあるが、敵あってのもの。敵に力を出させないことも強くあるための要因になる。
実直に戦い過ぎているきらいがある。競輪の歴史の中で、いい戦いはしてきたけれど、丈でずっといられないという選手は多くいる。分厚い壁がある。今回のような開催で、堅実に結果を残すことも重要だ。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。
