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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

立川記念・和歌山記念を振り返って

2025/01/14 (火) 14:30 15

 グランプリの夢の祭典が終わったばかりだが、競輪選手にオフの期間はなく、また今年も新たに、ビッグ戦線が始まった。

(写真提供:チャリロト)

 立川記念は山口拳矢、和歌山記念はGP覇者でダブルグランドスラムを狙う古性優作の優勝。立川記念では北井佑季が失格で欠場、清水裕友が腰痛で途中欠場。平原康多も、グランプリのレース直前にギックリ腰をやっていた様で、万全の状態ではなかった。いくらS班と言えど、直前欠場のペナルティーはあり、G1出場にも響いてくる。これは制度の問題だし、改めて考察したい。

 和歌山記念は新たに赤パン履いた岩本俊介が配分欠場。新山響平も、ラフプレーにもあったが、準決入りも失敗。その中で、古性優作だけが、順当な結果を収めた。古性時代は、あと10年、20年、間違いなく続く。1億4千万円と名誉をかけたGPの直後であるし、選手を責める事はできない。脚力だけでなく、心技体が揃っているのが古性優作と言う男だ。

 まず立川記念から感じた事を少し書きたい。北井にしても、新山にしても、走りにブレはないが、タイトルを獲ったレースは人の後ろだった。北井は郡司浩平、新山は新田祐大の番手だ。今の地区対抗戦で、逃げ切りで勝つのは至難の業と言える。北井にしても2個目のタイトルは郡司、深谷知広、松井宏佑の番手で甘えて獲りたくないはずだ。

(写真提供:チャリロト)

 日本一の先行力を持つ新山も、気持ちは一緒。北日本の自力選手の戦力は乏しく、新山がG1で番手で勝つとすれば中野慎詞しかいない。2段駆けでヤマケンが優勝したが、藤井侑吾は格下だが年上。競輪の世界は期別でなく、年齢で先輩、後輩が決まる(北井は年下にも、さんづけで名前を呼ぶが)。過去にもヤマケンは藤井に世話になっており、決勝のメンバーが発表された時、「いつかは侑吾さんに恩返しをしたい」とコメント。この話を師匠の山口富生に伝えたら「本当に、そんな熱い事を言ったの。俺でも拳矢は読めんから(笑)」。だけど、僕自身も、今回、山口拳矢と話していて、少し、大人になったなと思う場面が何度かあった。元々、口数が多くないし、人見知りの性格。同じ事をアオケイの八角あすか記者も感じていた様で、決勝のレース後も、選手や関係者に深々とお礼をしていたと言う。

(写真提供:チャリロト)

 和歌山記念では、今後、古性優作が“近畿の競輪"をどう築き上げていくか注目される。売り上げを考えれば、勝ち上がりの段階で古性に東口善朋の番組は買いやすい。ただ、和歌山の自力選手の底上げや、近畿全体の競輪を考えた時に、本当にそれで良いのか、古性自身も提言している。二次予選、準決で東口や椎木尾拓哉の前を回る和歌山の自力選手は不可欠だ。決勝は古性と地元勢が別線になった。深い意味はないし、こう言う時、近畿はガチンコの競輪をやる。東口が優勝した時も、村上義弘と三谷竜生と別線だった。

 ただ、古性から見て、こう言う時、悩んで、結果は別線になっても、付きたい魅力のある先行選手の誕生は望まれる。あとは、中釜章成は近畿の良いスパイスになっている。頭の回転も良く、ブラックジョークも面白い。先輩をいじる事もあるし、新たな近畿地区の良さになっている。個人的に、ネット競輪で、中釜章成のコラムがあったら楽しいと思う。最後に、和歌山記念の売り上げは目標の58億円を上回る65億円。ネットバブルの恩恵もあるが、広告予算をカット・カットでなく、有意義な予算編成をした、和歌山競輪の熱心な施行者の努力も大きかった。

(写真提供:チャリロト)

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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

町田洋一

Machida Yoichi

基本は闘うフリーの記者。イー新聞総合プロデューサー、アオケイ・企画開発パブリストの肩書きも持つ。自称グルメでお酒をこよなく愛す。毒のある呟きをモットーにして、深夜の戯言も好評を得ている。50代独身で80代の母親と二人暮らし。実態はギャンブルにやられ、心がすさみ、やさぐれている哀しき中年男である。

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