2023/03/08 (水) 16:48
今年初のG1「第38回読売新聞社杯全日本選抜競輪」(高知競輪場)は、脇本雄太の先行に乗った古性優作が、直線で追い込み優勝した。古性は昨年大会に続く連覇だった。
レースの展開を振り返ると、案の定、新田祐大はイン粘りの策に出た。ただ、一瞬踏み遅れたのか、番手は奪えず。新田は新田なりに考えての作戦だったのだろう。
しかし、いちファンからすれば、新田レベルの選手には、力勝負も見せてもらいたかったのが本音だ。筆者が考えるに、今の脇本を捲れる可能性がある選手は、新田しかいないからだ。それだけ、新田の力を高く評価しているからなのだが……。もちろん、イン粘りが決して悪いわけではなく、力と力の勝負も見てみたかった。
レースに話しを戻すと、新田は結局、競り負けてしまい、この時点で優勝は古性だろうと確信した。問題は脇本が2着に粘れるか、それとも3着なのか、だった。
結果、脇本は末の粘りを欠き4着。今シリーズの脇本の動きを見れば、これも納得だ。初日特選も勝つには勝ったが、勢いを感じられなかった。何とか決勝にはたどりついたが、腰痛の影響があることは明白だったのではないだろうか?
筆者の狙い目は、脇本を外して、古性の1着固定だったので的中したが、三谷の2着で勝負していたので、大喜びとはいかなかった。勝った古性は、初日特選から抜群の動きを見せてくれていた。2着だったものの、4番手に切り替える時のスムーズさは仕上がっていると思えた。初日の動きを見ただけで、この開催の優勝は古性だと、自分自身に言い聞かせていた。たとえ脇本がいなくても、自分でレースを作れるのだから、今後、古性はタイトルを積み重ねていくだろう。
2着の守澤太志は惜しかった。最後に中を割って突っ込んできた足色は、初タイトル近しを予感させた。悔しくて、悔しくて、仕方ないだろうが、ダービーあたりで悲願を達成できるのではないかと思っている。
売り上げは前年を上回る95億8258万8600円だった。これを良しとするかは、人それぞれだが、やはり100億という数字を目指し、突破してもらいたいものだ。これが、現時点での適正な売り上げだとは思えないからだ。もっと伸ばせたはずだと考えてしまう。競輪界は2022年の売り上げが1兆円を超えたが、これについても喜んでばかりはいられないはずだ。この売り上げについては、次回で書いていきたいと思う。
Text/Norikazu Iwai
Photo/Perfecta navi編集部
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※掲載写真はイメージです。
岩井範一
Perfecta Naviの競輪ライター