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【玉野ミッドで寝不足】木三原さくらの『恋して競輪ハンター』182Hunting

2025/06/09 (月) 18:00

木三原さくらの『恋して競輪ハンター』182Hunting

久しぶりにCS司会を担当した玉野ミッドナイト競輪で、眠れなくなるほどの興奮のレースがありました。
先月行われた『7車立てならTIPSTAR杯』。オールA級1・2班戦で行われたこの開催、決勝は予選から勝ち上がってきた若手選手にラインができた3分戦となりました。

ラインの先頭となったのは徳島の小川三士郎選手、福岡の櫻木雄太選手、和歌山の稲毛知也選手の3名。
なんと言っても小川選手は前場所から5連勝中。突っ張り先行、遅くても打鐘では仕掛け、先行して逃げ切っていました。競走得点90点を超える番手選手を振り切る走りは、A級では別格と言ってもいいほど。まだ1場所達成しただけとはいえ、このままいけば特別昇級してS級に行くだろうと思わせてくれる強さでした。
また、対抗格となる櫻木選手も玉野は好相性。何度も勝利者インタビューでその顔を見てきました。自力でまずは動きながらも冷静な立ち回りや器用さも持ち合わせている印象で、準決勝は6番手から残り1周でかましての1着。こちらも十分優勝候補と言っても過言ではありません。
そして稲毛選手は初日車間を開けすぎた失敗を2日目に修正したところも好印象。そして修正した仕掛けはシリーズリーダーの谷口力也選手を撃破するほどの素晴らしいダッシュ力でした。

誰が優勝するのか……。
アレコレ展開を考えていくと、先に紹介した3選手だけでなく、番手選手のチャンスも出てくるのでは?と思えて、困りました。
誰から狙っても面白い。車券から外せる選手がいない。難しくて悩ましい、楽しみな決勝メンバーとなりました。
そして、その決勝戦もまた面白かった!
まず、打鐘あたりで仕掛けた小川選手の番手に櫻木選手が飛びついたところから一波乱。そこへ稲毛選手が一気にかまして小川選手と約1周のもがき合い。最後は内で踏み勝った小川選手。そして櫻木選手もコースなく、また他の選手の追い込みにも耐え切った小川選手の優勝となりました。

小川三士郎選手

すごいもの見た〜!
と、酸欠の脳みそが興奮に満ちていました。なぜ酸欠なのかと言いますと、小川選手と稲毛選手のもがき合いが始まって、「頑張れ頑張れ!」とうっかり応援を始めてしまったものの、あまりにも長い間だったので見てるこちらが先に息も絶え絶え酸欠になってしまったというわけです。
のちに解説のやっさん(西谷康彦さん)に、『こないうるさいスタジオもそうないで』と突っ込まれるほど応援の力が入るレースでした。

優勝した小川選手の粘り強さには惚れ惚れしました。また、番手を奪うという選択にでた櫻木選手の走りには賛否あるのかもしれませんが、すんなり出したら捲れないと、とっさに判断し、あの走りに出たとしたら……。櫻木選手の走りがまた小川選手の強さを伝えてきます。そして櫻木選手の自在性という発見にもなりました。そして、かましに出た稲毛選手も、ダッシュだけじゃなくスタミナもあるというのをしっかり印象に残してくれました。

ちょっとベタ褒めし過ぎたかもしれませんが、若手選手たちにパワーをもらった感謝も込めて。
深夜の興奮はコーヒーより効きますね。若手選手の想いがぶつかり合ったいいレースの余韻で、その日はなかなか寝付けませんでした。そんな幸せな寝不足を感じた玉野ミッドでした。

※写真はP-NAVI編集部が撮影。

恋して競輪ハンター

木三原さくら

2013年夏に松戸競輪場で ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。 以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。 番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。 好きな選手のタイプは徹底先行! 好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。 “おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。

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