2023/01/31 (火) 16:26
令和4年の競輪表彰選手が先日、発表された。最優秀選手賞はもちろん、脇本雄太。公営競技史上初の獲得賞金3億円超えなのだから、文句はない。恐らくではあるが、満票だったのだろう。東京五輪後は大けがで戦線離脱したものの、不死鳥のごとく蘇ってきた。今年に入ってからも、勢いは止まっていない。あるWEBサイトには「練習不足で足が落ちていると」とあったが、今までの貯金で十分だろう。現在、脇本のダッシュにしっかりと付いていけるのは、古性優作しか頭に浮かばない。抑え先行の形ならもう少し増えると思うが、引いて7番手、8番手からの巻き返しという意味では、古性だけだろう。
優秀選手に目を移すと、少し驚いた。松浦悠士が選ばた一方で、新山響平が特別敢闘選手賞になっていた。確かに、松浦はG2サマーナイトフェスティバルを優勝しているが、G1は勝っていない。年間を通して安定した結果を残していることが、評価されたのだろう。競輪祭でG1を初制覇したはずの新山だったが、優秀選手賞ではなかった。
そもそも、投票システムに難があると思っている。過去に何度も書いたが、1位票、2位票と分けるべきだし、投票した関係者の名前を出し、誰が誰に投票したかも明確にするのはどうだろうか? そうすれば、その関係者の資質も分かるというもの。さらに言えば、選考委員会で誰がどういった意見を述べたのかも、詳しく知りたい。
ガールズ最優秀選手賞は柳原真緒。ガールズグランプリ2022を勝って、賞金女王にもなったのだから、良しとしてもいいが、個人的には、競技と両立をした佐藤水菜かなと思っていた。特別賞の小林莉子は、賞に値するキャリアだが、加瀬加奈子を加えてもよかった気がする。結婚、出産を経て、いまだに上位で頑張っている。そして、もうひとり、奥井迪を選んでもいいのではないだろうか? 成績にプラスして、ファンに対して感動を与えたレースをしているのは奥井だろう。投票する側の意見はさまざまではあるが、単に成績だけで選んでいるのなら、そもそも投票は必要ないし、選考委員会も不要と考える。選考委員会の委員が、果たして年間を通してどの程度のレースを見ているかも分からないところだ。
国際賞においては、窪木一茂と佐藤水菜が受賞。窪木は世界選手権のスクラッチで銀メダルを獲得した。しかしながら、今のところ競輪では目立った成績を残せていない。国際賞に関しては、このシステムから外し、それこそJCF(日本自転車競技連盟)が選定して発表すべきものではないだろうか。人にはそれぞれの思いも、意見もあるだろうが、競輪の業界をメジャーにしたいのなら、システムから見直すべきだと考える。
Text/Norikazu Iwai
Photo/Perfecta navi編集部
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岩井範一
Perfecta Naviの競輪ライター