2022/11/29 (火) 10:57
11月27日に終わった第64回朝日新聞社杯競輪祭は、新山響平が悲願のG1初制覇を成し遂げた。デビュー当初から将来を嘱望されていた逸材だが、やっと頂点に立った。一時期は、五輪を目指し、ナショナルチームの一員として頑張っていたが、現在は競輪一本に絞っていると聞いた。
競輪祭の決勝戦は、東北が4人、関東2人、南関東2人で、荒井崇博が単騎という構図になった。準決勝が終わり、東北勢の並びが決まった時は驚いた。グランドスラマーの新田祐大が先頭で、新山、守澤太志、成田和也で結束。単純に考えれば、新田がKEIRINグランプリを考えてのことだろう。新山が競輪祭を優勝すれば、グランプリ出場の東北勢は4人となるからだ。
そしてレースは、新田が強引に叩きに行き、前を取った坂井洋と新山の並走にはなったが、新山が最終2コーナーから番手捲り。ここで少しでも躊躇(ちゅうちょ)していたら、優勝はなかっただろう。郡司浩平は、懸命に追ったが届かずの2着だった。ただ、筆者が古いのかもしれないが、新田が引き出し役というのは、腑に落ちない。勝てば官軍ではないが、せめて最終4コーナーまでは持ってもらいたかった。2着の郡司は、前を取れていたら、また違った結果になったかもしれない。
これで、KEIRINグランプリ2022の出場選手が出揃った。
※KEIRINグランプリ2022の出場予定選手
ここ数年、S級S班の座を守ってきた清水裕友は、出場権を逃した。
東北は、新田祐大、新山響平、守澤太志、佐藤慎太郎の4人。近畿は脇本雄太と古性優作。そして平原康多、郡司浩平、松浦悠士。4人並びなら2段駆け必至の東北勢に、近畿コンビがどう挑むか? 仮に新山-新田の並びだとすると、すんなり新山を出させてしまうと、打つ手がないようにも感じてしまう。平原、郡司、松浦の出方にも注目したい。
そして、ガールズグランプリ2022のメンバーも決まった。
※ガールズグランプリ2022の出場予定選手
競輪祭で同時開催されたガールズグランプリ2022トライアルレースでは、児玉碧衣と佐藤水菜が優勝。佐藤は一発勝負をモノにして、逆転で出場権を得た。首をひねったのは、賞金ランキング6位の尾崎睦が選考委員会で除外されたことだ。選考期間中に失格を2度おかしたことが、その理由だと報道された。マスコミの報道でも連日、賞金ランキングを載せていたが、仮に、もし最初から除外の対象になっていたならば、あらかじめ発表していればいいし、他の選手の走りも変わっていたと思う。選考期間は1月~11月(GGPトライアルレースの最終日まで)。失格は褒められることではないが、今回の尾崎の件に関しては、報道も含めて、モヤモヤが残ってしまった。
ここまで色々と書いてきたが、決まったものは仕方ない。グランプリに選ばれた選手は、最高のパフォーマンスを演じてもらいたい。
Text/Norikazu Iwai
Photo/Perfecta navi編集部
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岩井範一
Perfecta Naviの競輪ライター