2022/12/08 (木) 11:29
KEIRINグランプリ2022の出場予定メンバーも決まり、最近は仲間と並びも決まらない内に、早くも予想会を何度も開いている。圧倒的に優位なのは、東北勢だろう。脇本雄太がこれをどうするかが、大きなポイントになっている。メンバーは、ほぼ昨年と同じ。新山響平の初参戦は喜ばしいが、ニュースターの誕生が待ち遠しいのも本音である。
つい最近、どこかのWEB記事に「スーパールーキー」なる言葉を見つけた。このスーパールーキーという言葉だが、安易に使われすぎていると感じる。あの脇本でも、そういう言い方はされなかった。かっこいいネーミングではあるが、正直なところ、そう言われた選手の現在地を、名付けた者は分かっているのだろうか。筆者が正解だと思えるスーパールーキーは、深谷知広ぐらいしか思いつかない。その前なら、武田豊樹だろう。さらに言えば、吉岡稔真、神山雄一郎だ。深谷も武田も、順調に成長し、G1の覇者になり、トップに君臨している。名前を挙げた4人以降、いや深谷以降はスーパールーキーと言っていい選手は見当たらない。
107期生もデビュー当時から評価は高く、茨城の吉田拓矢、鈴木竜士、山岸佳太は3強と言われ、当時もマスコミは持ち上げていた。G1タイトルに限れば、現時点では吉田拓矢が昨年の競輪祭を優勝している。かつては、64期生で三宅伸、有坂直樹、高木隆弘が3強と呼ばれていた。3人ともにG1のタイトルを奪取。すでに2人は引退しており、現役は高木だけとなったが、引退した三宅、有坂の分まで高木には頑張ってもらいたいものだ。
話が少し横道にそれてしまったが、スーパールーキーに話を戻そう。言われる方は気持ちいいかもしれないが、それが逆にプレッシャーになっているかもしれない。以前、ある選手から「成績のいいときは記者もたくさん寄ってきて、おだてるけど、成績が落ちれば寄ってこない」と聞いたこともある。スーパールーキーという言葉を使うなら、筆者の独断だが、負けなしでS級に特昇。F1では、ほとんど優勝。グレードレースでもコンスタントにファイナルに進出できる。そこまで活躍するならば、この言葉を使ってもいい気がする。せめて、「期待のルーキー」だとか、「将来を嘱望されている」程度が妥当だと感じる。もちろん、深谷くらいのインパクトがあれば、文句はない。良くも悪くもメディアには影響力があり、それがプラスに出ればいいのだが、若い選手を潰しかなねい、諸刃の剣だというこをマスコミ人は自覚してほしいと考える。
Text/Norikazu Iwai
Photo/Perfecta navi編集部
※掲載写真はイメージです。
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岩井範一
Perfecta Naviの競輪ライター