2022/07/08 (金) 12:41
2012年7月に始まった「ガールズケイリン」が、今年10周年を迎えた。それを記念して行われたのが、オールガールズによる開催「ALL GIRL’S 10th Anniversary」だ。6月30日から7月1日まで、神奈川県の平塚競輪場で熱戦を繰り広げた。
ガールズケイリンの1期生が入学したのは2011年。確か、東日本大震災の影響で入学が遅れたと記憶している。しかし、当初はメディアの扱いは小さかった。48年ぶりに復活した女子競輪ということだが、果たして成功するのか? 1期生35名の中で自転車経験がある人間も少なく、日本競輪学校(現:日本競輪選手養成所)の入学当初は、素人感が否めなかった。目玉選手は冬季五輪に2度出場している渡辺ゆかりと、新潟県弥彦競輪場の「クラブスピリッツ」出身で、当時から強さが伝わっていた加瀬加奈子くらいだった。他にも、自転車経験がある者もいたが、大きな大会での実績は少なかった。
残念ながら、2012年7月のオープニングレースを生で観戦できなかった。マスコミの報道によると、ガールズケイリン産みの親である下重暁子さんが、足を運んだという。下重さんはNHKのアナウンサーから作家になり、日本自転車振興会(現JKA)初の民間、女子会長になった人だ。ガールズケイリン以外にもミッドナイト競輪を導入するなど、その功績は大きい。当時は、ガールズケイリンもミッドナイト競輪も成功するのかどうか、意見が割れていたというが、現在の業界を考えれば、下重さんが決断しなければ、この業界は伸び悩んでいたに違いない。
1期生は目新しさもあってか、徐々に人気が出てきた。さらに、2期生には五輪候補だった石井寛子も入学し、人気がさらに上がった。そして今、10周年を迎えている。ひとつ言えるのは、1期生の頑張りがあったからこそ、今のガールズケイリンがあるということだ。
話題を平塚開催に戻そう。オールガールズ戦は12レース制で、2つのグループに分かれて争われ、Aグループは児玉碧衣と佐藤水菜が同着優勝。Bグループは柳原真緒が優勝を飾った。3日間の売り上げは、目標の10億円を大幅に超える、11億3,825万7,200円だった。この「ALL GIRL’S 10th Anniversary」が開催された平塚競輪場は、10年前のガールズケイリンのオープニング場である。最もガールズケイリンに理解を示していたからだろう。知人の記者から聞いたのだが、「初めはどこの施行者もあまり乗り気ではなかった。どの程度の売り上げがあるのか、予想できなかったので、躊躇(ちゅうちょ)していた。その中で、平塚競輪は積極的だった」そうだ。
今開催もコロナ禍でありながらも、多くのファンが競輪場に詰めかけて、声援を送ったとのこと。今後、ガールズケイリンだけの大会が、もっと増えることを願っている。ただ、そのためには選手間のレベル差を、もっともっと縮めていかなければならないとも考える。
Text/Norikazu Iwai
Photo/Perfecta Navi編集部
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岩井範一
Perfecta Naviの競輪ライター