2022/06/16 (木) 10:42
第73回高松宮記念杯競輪G1が6月16日から、大阪・岸和田競輪場で開催される。この原稿を書いているのは15日の前検日。果たして、今年は誰が勝つのか? ああだ、こうだと勝手に考えている時間こそ、競輪ファンにとって一番楽しいものかもしれない。
6月に開催される高松宮記念杯競輪は、KEIRINグランプリへ向けての折り返し地点でもある。ここまで今年のG1を振り返ると、2月の全日本選抜競輪は、KEIRINグランプリ2021に続き、大阪の古性優作が優勝。5月の日本選手権競輪は脇本雄太。この間に、G2のウイナーズカップが行われ、清水裕友が勝っている。古性、脇本はKEIRINグランプリ2022の出場権を得ており、現在の賞金ランキングを見ると、2位にはベテランの佐藤慎太郎、4位に松浦悠士で、5位は平原康多、清水裕友が6位で、ここまではグランプリ出場にグッと近づいている。
気になっているのが、ランキング9位の郡司浩平だ。日本選手権では準決勝で痛恨の失格。最近はどこか歯車が噛み合っていない感じがする。現状を打破し、地元地区の平塚開催となるKEIRINグランプリ出場へ向けて、ここが正念場と言ってもいいだろう。
【獲得賞金ランキング】
※2022年6月15日現在
1位/脇本 雄太 104,148,000円★
2位/佐藤慎太郎 75,730,000円
3位/古性 優作 65,178,000円★
4位/松浦 悠士 60,370,400円
5位/平原 康多 49,514,000円
6位/清水 裕友 47,075,000円
7位/守澤 太志 39,242,400円
8位/吉田 拓矢 31,094,000円
9位/郡司 浩平 28,009,000円
10位/浅井 康太 26,885,600円
11位/深谷 知広 26,458,000円
12位/眞杉 匠 25,354,000円
★は今年のG1優勝者
優勝候補を挙げていこう。脇本が出場できす、優勝争いは混沌としている。
その中で、最も安定感があるのは平原康多だろう。ただし、ランキング5位は立派だが、最後の最後でタイトルを逃している感は否めない。今開催も吉田拓矢をはじめ、関東には生きのいい若手積極型がそろっており、V最短と見ている。今度こそ勝ちきって、期待に応えてもらいたいものだ。
平原康多選手(埼玉87期)
次は、地元の後押しがある古性優作だ。気持ちで走るタイプなだけに、ファンの声援を力に替えられることは有利な材料と言える。
そして、3番手は松浦悠士だろう。平原同様に安定感は光っているが、昨年までのような勢いを感じられない。ただ、どんな展開になろうとも流れに左右されない強みはある。ゴールデンコンビと言われる清水裕友と、どういった組み立てをみせるかだろう。
もうひとり注目は新田祐大だ。日本選手権の前検日に落車して欠場しており、どこまでケガが回復しているか疑問が残る。聞くところによると相当な重傷だったらしいが、わずか1カ月での戦線復帰。8割方戻っていれば、十分優勝争いに加われることであろう。とりあえず勝ち上がりの走りで判断してみたい。
高松宮記念杯競輪は、勝ち上がりが東西別になっているのが特徴だ。そのため、普段は連携していても、ここでは別線になる可能性も大いにある。その点が予想をする上で難しいところでもある。車券を買う人間はどうも穿った見方をしてしまうもの。素直に買えばいいものでさえ、つい深読みしてしまう。これはこれで楽しいのだが、楽しいと言っている内に、財布の中身が寂しくなってしまう。
今年はどんなドラマが生まれるのか? 車券で儲けつつ、楽しみたいものである。
Text/Norikazu Iwai
Photo/Perfecta Navi編集部
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岩井範一
Perfecta Naviの競輪ライター