2022/03/30 (水) 17:36
3月21日に終わった第6回ウイナーズカップ(G2、宇都宮競輪場)は、清水裕友が太田竜馬、松浦悠士の3番手から抜け出して、連覇を達成した。ビッグレースの優出が昨年9月の共同通信社杯以来の清水だったが、やっと笑顔がみられた。
戦前の予想では、脇本雄太、古性優作の近畿勢に浅井康太が続く、中部近畿勢が圧倒的な支持を受けていた。脇本の3日間の走りを見ていれば、ほぼ脇本か、古性で決まると思われた。かくいう筆者も、この2点で大勝負に出た。どう考えても脇本が負けるシーンが思い浮かばなかったのである。そう思うファンは、筆者だけではなかったであろう。しかし、脇本は7番手で動けなかったのかは定かでないが、普段とは違っていた。
逆に太田は、無欲で先行した。太田クラスになれば、そろそろ自分が勝ちにこだわってもいいと思うが、太田は逃げた。後ろが松浦、清水というビッグネームだったにせよ、あっぱれな競走だった。松浦も満を持して番手から捲りを放ったが、宇都宮の500バンクは直線が長かった。5番手の深谷知広にもチャンスはあったと思ったが、前との車間が空きすぎた結果、3着がやっとだったのだろう。勝負は水ものだし、絶対はない。しかし、人気を背負った脇本には見せ場は作って欲しかった。勝った清水だが、性格的に優しいのか、欲がないのか、我先にという感じがしていなかった。それが最近の成績に表れていたと考える。これでスッキリしたと思うし、次のダービー(日本選手権競輪)が楽しみになってきた。
ガールズケイリンコレクション2022宇都宮ステージも最終日に同時開催され、こちらはベテランの石井寛子が、児玉碧衣、小林優香、高木真備を相手に優勝を決めた。逃げた尾方真生の番手回りだったとはいえ、強さは際だっていた。残念ながらこちらの車券も、児玉と心中していて、取れなかった。ただ、競走はもう少し動きが欲しいなと感じた。ガールズの特長として、ビッグレースになればなるほど、競走が小さくなる。勝ちにこだわること自体は悪いことではないが、もう少し魅せるレースも期待したい。
売り上げは驚くことに、目標の70億円を大幅に超える85億5773万3500円。これは過去最高だった第1回大会の76億8742万4800円をも上回った。徐々にではあるが、新型コロナウイルスの感染者数も減ってきて、競輪場に足を運ぶ人数も増えてきた。今開催は4日間で1万3147人が来場した。ネット投票もいいが、やはり競輪の醍醐味は金網での観戦である。これに満足することなく、関係者はさらに努力してもらいたいと切に願う。
Text/Norikazu Iwai
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岩井範一
Perfecta Naviの競輪ライター