2021/12/28 (火) 07:15
一年で一番競輪界が燃える「KEIRINグランプリ2021」(30日・静岡競輪場)がカウントダウンに入った。21日には出場9選手がリモートで会見を行った。昨年もコロナの影響で前夜祭は中止になったが、今年は徐々にではあるが落ち着いてきたので、前夜祭は開かれると思っていた。慎重に万全を期したのだろうが、人数を絞ってファンを入れても良かったとは思っている。もちろん、選手との接触は避けてだが。
注目の並びであるが、ポイントは3点だった。まずは関東3人。吉田拓矢の前は決まっていたが、番手が平原康多なのか、宿口陽一なのか。筆者は当然、平原が番手だと思っていたが、フタを開ければ、宿口が前で、平原は3番手。スポーツ紙によれば、平原が若い2人の意見を尊重した、とあった。冷静に考えれば、宿口が番手捲りを打てば、平原の大チャンスだろう。ただ、一癖も二癖もある自在型が揃っているだけに、吉田後位は狙われる可能性も大きい。
2点目は東北勢が連携するか、別れるのかであった。佐藤慎太郎と守澤太志は追い込み型であるだけに、それぞれが郡司浩平、古性優作の番手もあった。しかし、郡司に佐藤が付け、守澤は3番手を選択。守澤は直前に落車し、鎖骨を骨折している。手術は終わったみたいだが、それも影響しての3番手だと見ている。
3点目は、中国2人の並び。清水裕友が前なのか、それとも松浦悠士が前なのか? 松浦は後半戦で苦戦も続いていたが、地元の広島記念を優勝し、調子は上がってきた。だからこそ前での自在戦と思っていたら、清水の番手。個人的には松浦が前で戦った方がチャンスはあると思っているのだが……。
古性は単騎になり、今年のKEIRINグランプリは、3対3対2対1の構図になった。
さて、誰を軸に買おうか迷っている。展開は吉田が逃げ、中団を郡司、清水、古性が取り合う形になろう。前述したが、吉田の番手を奪いにいくかもしれない。それでも吉田はライン3車は出させる競走をするだろう。要は飛び付かせない競走だ。宿口が番手から捲り、平原が追い込むのが一番人気ではないかと予想するが、それは出来過ぎだろう。
昨年は超伏兵の和田健太郎が優勝し、3連単は22万円を超える大穴になった。郡司がある程度仕掛ければ、佐藤がインを突いて2度目のグランプリ優勝。これは松浦にも言えることだ。平原、佐藤、松浦の3人をボックスで勝負したいが、配当的な妙味は少ない。ならば2012年の京王閣グランプリで肋骨を骨折しながら優勝した村上義弘の再現で、守澤から2、3着を流してもいいと思っている。グランプリは有馬記念と同じで、「夢を買う」と思えば、守澤からが夢を見られそうだ。
Text/Norikazu Iwai
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岩井範一
Perfecta Naviの競輪ライター