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平原康多の勝ちペダル

【#3】2021年、磨くは“タテ脚” 競輪界の頂点まで全力前進!

2021/01/26 (火) 18:00 13

今月の平原選手は、立川・鳳凰賞典レース(GIII)、大宮・倉茂記念杯(GIII)に出場し2開催連続で優勝。2021年のスタートダッシュを決めました!

しかしこの結果にも「まだまだです」と、今年も大きな目標を見据え突き進んでいきます。前回のコラムの最後に残した“見ていてください”の言葉通り「きっと今年は平原康多から目が離せない1年になる!」とワクワクさせてくれた今月のレースを振り返ります。


あっと言わせた立川・初日特選の先行策

 平原康多です。netkeirinをご覧の皆さん、こんにちは。昨年末の「KEIRINグランプリ2020」が終わったと思ったら、すでに1月も終わり。この1か月は本当に早く感じました。毎年、グランプリが終わって新年は立川記念、大宮記念のスケジュールが多いです。休む間もなく凄いハードだと思われますが元々、競輪選手にはオフがありません。1年365日、毎日が臨戦態勢です(笑)。開催が終われば、次の開催に備え気持ちを切り替えていきます。

 今年の初戦、立川記念ですが優勝することができ、幸先のいいスタートが切れました。このシリーズは4日間、自力で戦いました。その中で、初日特選のことを書きたいと思います。

4日間自力で戦った立川記念(提供:チャリロト)

 このレースはグランプリでも戦った、清水君(山口)と郡司君(神奈川)が一緒。菅田君(宮城)もいて4つのラインに分かれました。実際、レースの組み立て方は難しかったですけれど、残り600mから自分が逃げました。体が勝手に反応した感じでしたし、試したいこともあったので。後ろは地元の鈴木君(東京)。3番手は菅田君でした。結果的に最後は鈴木君に抜かれ2着でしたが、満足感を得ることができました。

 逃げたことについてですが、これはグランプリで連係した脇本君の影響が大きいです。彼と色々な話をして、自分に足りないものが分かったというか、勉強になったんです。今までなら思いもつかなかったことを、脇本君はしている。技術面もそうだし、精神面も。彼はナショナルチームでトレーニングをしています。逆に自分は1人。1人で色々と考えるには限界というか、そういう部分があるんです。でも脇本君はチームが考えてくれる。経験豊富なコーチが付いています。だから頭でっかちにならない。柔軟な考えができるんです。トレーニングにしても一歩も二歩も先を見据えていました。そういう話をして、ヒントみたいなものを得るんです。それを財産にしていかなければ、この世界では生きていけません。

昨年のグランプリで脇本選手との連係から得たヒントが、大きな財産に(提供:チャリロト)
「平原選手クラスが後輩に聞くんですか?」と思われるかもしれませんが、自分は昔から良かれと思ったことは聞いてきました。抽象的な言い方になってしまいますが、自転車の進め方、セッティング、フォームなど勉強になりました。そういった意味でも新年最初のレースで先行し、2着に残れたことは有意義だったと思いますし、自信にもなりました。

8度目地元V! プレッシャーをはねのけ完全優勝

 2戦目の大宮記念は立川記念とは真逆で、4日間目標がありました。自力で戦うのと、目標があって戦うのでは違った緊張感があります。自力の時は自分だけでなくラインで決めたい、悪くても連に絡むように心がけます。目標がある時は、前後の選手のことを考えながら、勝利を目指していきます。地元というプレッシャーの中、4連勝で優勝することができました。2開催連続で優勝。結果だけを見ればいいですが、まだまだです。前にも書きましたが、脇本君たちと互角の勝負をするためにはスピードが足りません。競輪用語で「タテアシ」というのがあるんですが、読んで字のごとく前に進む力、これをもっと上げていかなくてはなりません。

番手まくりで地元記念連覇!(提供:チャリロト)

 昨年はGIで優勝することができませんでした。今年こそはファンの皆さんの期待に応えられるように頑張っていきたいと思います。そしてコロナ禍にあって、普段と違う生活をしなければなりません。その中で走れることの喜びを感じています。マスク着用、手洗い、うがい。お互い、くれぐれも注意しながら、頑張っていきましょう。

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平原康多の勝ちペダル

平原康多

Hirahara Kota

埼玉県狭山市出身。日本競輪学校87期卒。競輪選手・平原康広(28期)を父に持ち、その影響も受けて高校時代から自転車競技をスタート。ジュニア世界自転車競技大会などで活躍し、頭角を現していった。レースデビューは2002年8月5日の西武園。同レースで初勝利を記録。2009年には高松宮記念杯と競輪祭を制し、2010年も高松宮記念杯で勝利。その後もGⅠ決勝進出常連の存在感を示し、2013年は全日本選抜、2014年と2016年には競輪祭、2017年も全日本選抜などで頂点に輝く。最高峰のS級S班に君臨し続け、全国の強者と凌ぎを削っている。

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