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吉井秀仁の妄想先取りレース実況

【寛仁親王牌予想】近畿勢の“常勝モード”が続くのか GI戦線、他地区は正念場! 台風の目は菊池岳仁

2025/10/23 (木) 08:00 2

近畿無双の裏にある「鉄の結束力」

 残すGIは今開催の寛仁親王牌と小倉競輪祭のみ。ここまでの流れを見ると、やっぱり近畿の勢いがすごい。近畿以外で今年のGI・GIIでタイトルを獲ったのは日本選手権の吉田拓矢、サマーナイトの眞杉匠だけ。あとはもう近畿がごっそり。正直、牙城を崩すのはかなり難しい印象だよ。中でも古性優作。親王牌はもう二連覇中で、舞台との相性も抜群だね。

 前橋は高速バンクで、ドームなので天気の影響はなし。ダッシュスピードに物言わせる選手に有利な条件ではあるが、結局は「ラインの結束」があってこそ勝ち切れる。単騎の力だけで押し切るのは、やっぱり厳しい。

 その「ライン」に対する考え方は地区によって色が違うんだよね。例えば、先行タイプ同士が並んで後ろにマークがつく時。ちょっと迷っただけで、相手に隙を突かれて分断されるなんてこともある。逆に、あっさりやってのける地区もあるし。その差はやっぱり“連携の精度”とか“信頼感”の厚みってことになるのかと思う。

 で、近畿はそのあたりが本当にしっかりしている。“鉄の結束力”があるから、シリーズ全体を通して結果を残せている。S班新山響平、郡司浩平、岩本俊介、眞杉匠、清水裕友、犬伏湧也、松浦悠士らで一矢報いるか! 他にも菅田壱道、吉田拓矢、森田優弥、山口拳矢、嘉永泰斗といったそうそうたるメンバーが揃っているし、激戦モードを希望したいね。

 あと忘れちゃいけないのが賞金争い。親王牌ってGI戦線の“セミファイナル的”位置づけだが、単なるタイトル戦じゃない。グランプリ出場は賞金上位に入ることでも決まってくる。賞金争いという部分ではこの大会の占める意味合いはかなり大きいよね。「近畿の牙城を誰かが崩すのか?」それとも「また近畿の結束力が光るのか?」ーー。そのあたりを楽しみに、このシリーズを見ていきたい。

戦法の幅を広げる菊池岳仁は“台風の目”に

 さて、高配当を演出する選手を探っていく。名前を挙げたいのはやっぱり菊池岳仁だね。これまでは「逃げ一辺倒」ってイメージだったけど、最近は戦い方に幅が出てきたように見える。前受けからの突っ張り先行が売りみたいだったが、ダッシュを生かしたカマシやまくりもできるようになってきた。

 レースのバリエーションが増えた分、相手からするとかなり厄介な存在だと思う。上位陣にぶつけても今の菊池なら十分通用する力はある。このシリーズで“台風の目”になるんじゃないかな。

 それから塩島嵩一朗。この選手も秘めた力は相当あると思うんだよね。まだ大きな結果は残せてないけど、このGIで見せ場を作れば一気に名前が売れるきっかけになる。まずは存在感をしっかり出し、その上でどうレースを組み立てるか。そういう走りを期待したいところだね。

“不敵なコメント”が気になる8R
慣れない番手戦に高配当の気配漂う11R

 さあ、妄想タイムは8Rに目を向けてみるか。まずはいつものように並びの整理から。⑦嘉永泰斗-①荒井崇博の九州コンビ、⑧塩島嵩一朗-②佐々木龍-④山賀雅仁の南関ライン、③原田研太朗-⑤桑原大志で瀬戸内コンビ、⑥渡辺正光、⑨東口善朋は単騎戦となっている(⇐⑦①・⑧②④・③⑤・⑨・⑥)。

 人気は嘉永泰斗、荒井崇博の九州コンビになるか。順当なら嘉永がスタートを取り原田が押さえるがそこは突っ張り。塩島を逃がし、嘉永がまくり、荒井とのゴール勝負⑦=①、佐々木が切り替え⑦=②。

 ところが前検日、塩島は「郡司さんのメニューで練習しS級で戦えるメドが···」と不敵なコメント! おお〜と思ったし、「これは見せ場だけでは終わらないかも」と頼もしく感じたよ。強気に“先手必勝”なら佐々木が恵まれ、塩島の残り②-⑧、佐々木が塩島をかばうときの山賀の強襲逆転②=④も見ておきたいね。

 さて、もうひとつ11Rも。⑦深谷知広-④根田空史-②菅田壱道の東日本トリオ、⑧村田祐樹-①山口拳矢の中部コンビ、③犬伏湧也-⑨松本貴治-⑤岩津裕介の中四国ライン、⑥内山慧大は単騎の四分戦となっている(⇐⑦④②・⑧①・③⑨⑤・⑥)。

 これなら村田が逃げヤマケンの展開だが、力で深谷との⑦=①。深谷が一気に叩いて根田との⑦=④、深谷が末脚を欠き④-②あたりが本線だ。穴は慣れない番手戦で根田が手こずるとき…! 菅田が突き抜け②-①④⑨で妄想〆ってことになるかね。


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吉井秀仁の妄想先取りレース実況

吉井秀仁

Yoshii Hidehito

千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。

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