2021/01/01 (金) 12:00 41
昨年12月30日に行われたKEIRINグランプリ2020。前夜祭では「脇本選手の後ろ」という平原選手の発言もあり、最強タッグの誕生で例年以上に注目を集めました。
他地区の選手との連係を選択するまでの葛藤や、レースで脇本選手の背中から感じたモノ、そして、4角でヨコに動いたあの瞬間…。新たな1年を迎えたいま、激闘のグランプリを振り返ります。
netkeirinをご覧の皆さん、新年明けましておめでとうございます。平原です。
たくさんの声援を頂いた昨年12月30日のKEIRINグランプリ2020(平塚競輪場)でしたが、初めて連係した脇本君が気持ちよく先行してくれたのに5着の結果に終わりました。優勝した和田さんは同期でもあり、おめでとうございます。ファンの方には期待に応えられず、迷惑をかけました。
脇本君との連係ですが、グランプリメンバーが決まった時から、選択肢の一つにありました。もちろん自分は自力型だし、地域の違う自力選手に付けるということの葛藤はありました。考えに考え、記者会見の直前に自分から彼に電話をして、気持ちを伝えました。
では、なぜ後ろを選択したかについて話します。
実際に彼の後ろに付いたら正直、レベルが違うと感じました。スピードは言うまでもなく、レースのスケールが大きい。ちょっと抽象的かもしれませんが、仕掛けるタイミングなんか、『こんな所から行って持つのかよ』という感覚でしたね。迷いがない、本当にここと決めたら迷いなく仕掛けるんです。彼の背中からそれが伝わってくるんです。ここが他の選手と違うところだと思います。だから、残り650m辺りから、一切ペースを落とさず駆けてくれました。そのピッチは本当にやばいレベルでした。作戦なんかありません。自分は全てを脇本君に任せていましたから。
3番手の松浦君や郡司君を牽制し、松浦君から切り替えた清水君が捲ってきました。当然、止めに行きます。その結果インから和田さんに来られたのですが、やるべきことはやりました。脇本君の気持ちに応えなければいけない。それがラインを組んだ人間同士の信頼関係です。ましてや脇本君のスピードは全然、落ちていませんでしたから。
自分が脇本君の後ろを選んだのは、何が何でも勝ちたいからではありませんでした。もちろん、プロである以上、勝利は求められるし、目指します。しかし、今回はそれと同じくらい彼の後ろを回ること、あのスピードを体感することで今後、自分が成長できるという判断だったんです。いい経験をしたで終わらせるのではなく、この経験を生かしていかなければなりません。そうでないと脇本君に対しても失礼だし、ファンの方にも失礼だと思っています。
グランプリも含め昨年は、前半いいスタートを切れましたが、後半は落車が多く、身体を立て直すのに時間がかかってしまいました。決して納得いく1年ではありませんでしたが、自分なりに精一杯、戦ったつもりです。今年こそはGIのタイトルを獲ります。
新年は4日からの立川記念です。応援してくれるファンのためにも頑張ります、見ていてください。
平原康多
Hirahara Kota
埼玉県狭山市出身。日本競輪学校87期卒。競輪選手・平原康広(28期)を父に持ち、その影響も受けて高校時代から自転車競技をスタート。ジュニア世界自転車競技大会などで活躍し、頭角を現していった。レースデビューは2002年8月5日の西武園。同レースで初勝利を記録。2009年には高松宮記念杯と競輪祭を制し、2010年も高松宮記念杯で勝利。その後もGⅠ決勝進出常連の存在感を示し、2013年は全日本選抜、2014年と2016年には競輪祭、2017年も全日本選抜などで頂点に輝く。最高峰のS級S班に君臨し続け、全国の強者と凌ぎを削っている。
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