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平原康多の勝ちペダル

【#16】「出場は当たり前ではなく“奇跡”」肌で感じたKEIRINグランプリの重み

2021/12/24 (金) 15:00 17

今年のグランプリは、3番車に決定! (公財)JKA提供

今年も残すところあとわずか。12月30日、KEIRINグランプリが開催されます。

ファンからの期待は高まる一方「笑っちゃうくらい平常心」という平原選手。大一番を間近に控え、近況や意気込みを綴ります。


2000人以上のなかの9人…「それだけ、勝負の世界は厳しい」

 netkeirinをご覧の皆さん、平原康多です。

 いよいよ「KEIRINグランプリ2021」の開催が近づいてきました。今年は3年ぶりに静岡競輪場で開催されます。グランプリはその年のGIタイトルを獲った選手と、獲得賞金上位者が出場できます。優勝賞金1億円もそうですが、競輪界の頂点に立つ選手を決める大会でもあります。

 自分は10月の寛仁親王牌で優勝し、12回目の出場になります。GIを目標に日々トレーニングに励んでいるので、タイトルを獲っての出場は嬉しいです。グランプリについては3年前の静岡大会から考え方というか、位置づけが変わりました。それまでは1年間戦ってきた上位選手による特別なお祭りという感覚でした。しかし静岡で自分は落車。それでも自転車を持ってゴールしました。その時、詰めかけた大観衆から「平原コール」が起こり、落車した自分に物凄い声援が飛んだんです。その時に思いました。グランプリは重いものなんだと。これだけの声援を受け、ファンの有り難みを肌で感じましたね。

2019年のグランプリにて、歩いてゴールに向かう平原選手(撮影:島尻譲)

 12回目の出場ですが、初出場からずっと出られていることが奇跡だと思っています。出場するのが当たり前だと思われているかもしれませんが、決してそんなことはありません。2000人以上いる競輪選手で出られるのは9人だけ。そう考えただけでも奇跡なんです。謙遜? いや、リアルにそう思っています。それだけ勝負の世界は厳しいということなんです。

気心知れた2人と走れるのは、楽しみ!

 競輪祭が終わって風邪をひいてしまいました。ただ時期的には良かったのかなと思っています。いったん体調を崩しておけば免疫力が上がってきます。直前に体調を崩すのとは違いますからね。状態も悪くないと思います。静岡には自転車を2台持っていきます。1台は普段から乗っているもの。もう1台は感覚的なものですが、若干違うもの。練習で乗っていますが体とマッチするのかまだ、わかりません。当日の気象条件などもありますし、どちらを使うかは迷っています。

 そして今回は吉田拓矢君、同県の後輩である宿口陽一君と関東3人で戦えることは嬉しいです。吉田君は信頼できる先行選手ですし、その強さは分かっています。宿口君とはいつも練習していますし、気心知れた2人と走れるのは楽しみでもあります。21日のリモート記者会見で並びも決まりました。吉田君が先頭で2番手に宿口君。自分は3番手です。2人が走りやすいように走ってくれればと思います。

12月21日、リモート記者会見の様子 (公財)JKA提供

 そろそろ? という声も聞こえますが、欲が全くないんです。笑っちゃうくらい平常心なんです。グランプリに対する考えが変わった静岡で、自分のできることをしっかりとやってきます。

「自分のできることをしっかりとやってきます」(撮影:島尻譲)


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平原康多の勝ちペダル

平原康多

Hirahara Kota

埼玉県狭山市出身。日本競輪学校87期卒。競輪選手・平原康広(28期)を父に持ち、その影響も受けて高校時代から自転車競技をスタート。ジュニア世界自転車競技大会などで活躍し、頭角を現していった。レースデビューは2002年8月5日の西武園。同レースで初勝利を記録。2009年には高松宮記念杯と競輪祭を制し、2010年も高松宮記念杯で勝利。その後もGⅠ決勝進出常連の存在感を示し、2013年は全日本選抜、2014年と2016年には競輪祭、2017年も全日本選抜などで頂点に輝く。最高峰のS級S班に君臨し続け、全国の強者と凌ぎを削っている。

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