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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

【寛仁親王牌予想】侮るなかれ 気配上昇組に波乱の香り “ヨーロッパ(468)”大波乱注意報発動

2025/10/26 (日) 07:55 1

GI開催特別コラム「山田裕仁の一発逆転!波乱注意報」。KEIRINグランプリを三度制した帝王・山田裕仁が、開催前半〜中盤までの選手の調子をチェックし、展開から"買えるヨーロッパ(468)"を紹介。元選手ならではの視点から、狙い目の2レースをお届けします。▶山田裕仁の見解と買い目はこちら

【ヨーロッパ(468)とは?】
レース展開や選手心理から、穴党に向けて“買う価値がある3車”を導き出す独自理論。数字の468は、展開の「裏をかく」欧州的思考を意味している。


【予想レース①】

前橋5R 寛仁親王牌(GI)S級選抜

①内藤秀久(89期=神奈川・43歳)
②稲川翔(90期=大阪・40歳)
③阿竹智史(90期=徳島・43歳)
④東矢圭吾(121期=熊本・27歳)
⑤小林泰正(113期=群馬・31歳)
⑥内山慧大(123期=福井・24歳)
⑦佐々木雄一(83期=福島・45歳)
⑧原井博斗(115期=福岡・29歳)

⑨岡崎智哉(96期=大阪・40歳)

【初手・並び予想】

←⑤①⑦(混成)⑥⑨②(近畿)③(単騎)④⑧(九州)

【注目のヨーロッパ】

⑧原井博斗
④東矢圭吾

着順イマイチも気配良好な⑧原井博に注目!

 三分戦で単騎が1名というメンバー構成。人気を集めそうなのは⑤小林泰で、3日目は勝負にいったところで挟まれ接触して車体故障という、消化不良な内容だった。うまく抜けていれば展開的にも面白かったはずで、それだけに最終日に期するものは大きそうだが、番手を回るのが南関東の①内藤秀で3番手も⑦佐々木という混成ラインだと、主導権を奪いに積極的に動く可能性は低そうだ。

 近畿勢の先頭を任された⑥内山慧は、ここはもうガンガン行くのみ。そして番手の⑨岡崎智が早めに発進するという、3日目と同様の作戦が濃厚である。車番的に後ろ攻めとなりそうな④東矢圭がまずは前を斬り、続いて⑥内山慧が動いて主導権。④東矢圭が先頭の九州勢が中団で、⑤小林泰は前受けから下げての巻き返し狙い……という展開になると予測する。

 単騎の③阿竹智が狙いそうなのは、近畿勢か九州勢の後ろだろう。そうなると、勝負どころを「⑨②④⑧③⑤①⑦」、または「⑨②③④⑧⑤①⑦」といった隊列で迎えることになりそうだ。この展開で狙って面白いのが、中団から捲る④東矢圭と、その番手を回る⑧原井博。とくに期待するのが⑧原井博で、④東矢圭が⑨岡崎智を早めに捉まえにいくような展開ならば、上位への食い込みがあって何の不思議もない。

 このシリーズでの⑧原井博は、着順こそ4着、5着、8着と冴えないが、内容はけっして悪くはなくデキもいい。いかにも人気の盲点となりそうで、このメンバー構成ならば狙ってみる価値は十分だ。さすがに1着まではどうかだが、2〜3着に突っ込んで高配当の使者となるケースなら大アリ。捲り追い込んだ⑤小林泰が1着まで突き抜けたとしても、⑧原井博がらみのフォーカスはいい配当になるはずである。

 スジの④⑧がらみは薄く押さえる程度でよさそうで、人気サイドの1着から2〜3着に⑧を固定する、スジ違いのほうを推奨。雑に買い目を出すならば、「②③⑤⑨→⑧=①②③④⑤⑦⑨(3連単48点)」といった内容になるか。これでも、決着パターン次第ではかなりの高配当まで狙えるはず。中団からアグレッシブに攻める④東矢圭と、その番手から展開をつく⑧原井博で、余裕のある財布で決勝戦を迎えたいものだ。

5Rのプロ予想を見る

川口公太朗(写真提供:チャリロト)

【予想レース②】

前橋6R 寛仁親王牌(GI)S級特選

①香川雄介(76期=香川・51歳)
②守澤太志(96期=秋田・40歳)
③浅井康太(90期=三重・41歳)
④内藤宣彦(67期=秋田・54歳)
⑤大槻寛徳(85期=宮城・46歳)
⑥川口公太朗(98期=岐阜・35歳)
⑦菅田壱道(91期=宮城・39歳)
⑧須永優太(94期=福島・37歳)
⑨園田匠(87期=福岡・44歳)

【初手・並び予想】

←⑦⑤⑧(北日本)③⑥(中部)①(単騎)②④(北日本)⑨(単騎)

【注目のヨーロッパ】

⑥川口公太朗

早めに動かざるをえない③浅井康が⑥川口公を導く!

 三分戦で単騎が2名という構成ながら、北日本勢が過半数を占めるという偏ったメンバーの一戦。⑦菅田壱が先頭の3車ラインと、②守澤太が先頭を走る秋田コンビ、そして③浅井康が先頭の中部勢という戦いで、人気は最もバック回数が多い⑦菅田壱が先頭のラインになりそうだ。とはいえ、このシリーズでの⑦菅田壱は着順どおり、「可もなく不可もなし」といったデキである。

 とはいえ、同じ北日本の②守澤太と別線となったことで、⑦菅田壱が有利になったのは事実。この両者がガチンコでやり合うとは考えられず、中部勢の先頭である③浅井康は、他力本願とはいかない。となれば、最も避けるべきは初手で後ろ攻めとなることで、できれば中団につけたいところ。初手で「前受けも後ろ攻めも北日本」というカタチに持ち込むというのが、勝ち負けの必要条件となりそうだ。

 それが叶ったとしても楽ではないだろうが、③浅井康のデキ自体はけっして悪くないし、初日に落車したダメージも日に日に抜けてきている様子。3日目の走りから、最終日はもっとやれそうな印象を受けた。初手で中団が取れても早めに動く必要はあるだろうが、それでも「先行する並程度のデキの⑦菅田壱」ならば、捉まえきれる可能性が十分にあるはず。それに人気的にも、ここから入ったほうが美味しい。

 そして、③浅井康が早めに仕掛けて前を捲りきる展開で、大きなチャンスが到来するのが番手の⑥川口公。当然ながらスジの③→⑥がらみが本線ではあるが、ここは差し目の⑥→③までありそうだ。さらに振り回すならばスジ違いの「⑥=①②⑤⑧⑨」から流す3連単だが、③=⑥がらみから流すフォーカスでも悪くないリターンを得られるはず。⑥川口公からのスジ違いは2車単だけ押さえるという手も、オッズ次第で考慮したい。

6Rのプロ予想を見る

松谷秀幸(写真撮影:北山宏一)

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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

山田裕仁

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校第61期卒。KEIRINグランプリ97年、2002年、2003年を制覇するなど、競輪界を代表する選手として圧倒的な存在感を示す。2002年には年間獲得賞金額2憶4434万8500円を記録し、最高記録を達成。2018年に三谷竜生選手に破られるまで、長らく最高記録を保持した。年間賞金王2回、通算成績2110戦612勝。netkeirinでは当コラムのほかに、グレードレースを総括する「山田裕仁のスゴいレース回顧」も担当。

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