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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

S級S班の選手は格が違う 〜立川記念と岸和田記念を振り返る〜

2021/01/14 (木) 13:00 5

毎年グランプリ明けの選手には不調な選手がいるはずだが

 グランプリが終わっても、立川記念、岸和田記念とあり、当たり前だがトップ選手もオフがない。今月は記念が5開催あるので、もう大宮記念だ。少し、レースを振り返ってみる事にする。

 毎年、グランプリ明けの選手で不調の選手がいるが、今年は誰もそんな選手が見当たらない。平原康多は目標にした鈴木庸之のアクシデントも気にせず、余裕で快速捲りを決め立川記念で優勝。清水裕友も日に日に調子を上げ、修正能力の高さを証明した。それは郡司浩平にも同じことが言えた。

鈴木庸之(4番車)の車体アクシデントにも冷静に対応し優勝をきめた平原康多(7番車)

 ここで少し話しが脱線するが、新人の選手や、A級下位の選手が「明日は修正して頑張る」とか「負けはしたが修正出来る範囲」と平気に使う。根本の土台が違うし、過去の経験や実績があるから修正出来るのであり、軽々しく「修正」という言葉を使って欲しくない。

 俺みたいな53歳になると、人の話しに耳に傾けなくなるし、意固地になり、ますます人から面倒臭いと煙たがられる。それでいて、修正出来る様なバックボーンもないから嫌われ者のままだ。自分で言うのもおかしいが、本当最悪の人間だ。

S級S班という地位が人を築くのか

 ここで話しを元に戻す。岸和田記念でも、正月、体調不良で4日間寝込んでいた松浦悠士が番手捲りとは言え圧勝の走りだった。守澤太志も勝ち上がりで前が失敗と見ると、自ら捲っていた。初日特選の和田健太郎も浅井康太に踏み負けず、良いスタートを切った。やっぱり、S級S班の選手は違うんだなと、改めて実感。強いからS班になったのかもしれないが、ワダケンや守澤を見ると地位が人を築くのかと思ってしまう。

松浦悠士は万全とは言えない調子の中で優勝を決めた

 振り返り、立川記念。鈴木竜士や鈴木庸之は普段から2段駆けは嫌いだし、意味がないと言っている。岸和田記念の才迫開みたいに死ぬのが分かっている選手もいる。だけど、鈴木庸之みたいな選手が平原の前を回る時、どんな走りをやるか読めないし難しい選手の一人だ。もちろん、走るグレードにもよるが、競輪祭の決勝にしても、前々でレースを壊すと言う作戦なんだろう。ここに関東の競輪に疑問を感じるし、平原の心の葛藤がある気がする。

 さて、前半の記念2本を見る限り、SSの格を感じた。地元記念でも古性優作が決勝にも乗れなかったし、SSと、それに漏れた選手の力の差は限りなく大きいと実感した。

無意識に止めに行っていた

平原はグランプリがあったから立川記念に繋がったと語った

 大宮記念の前検。平原は、いつもの笑顔で我々の前に現れた。僕的に平原とは、今年初だったので改めてグランプリの事を聞いてみた。

「端的に言えば運がなかったかな(笑)。ワッキーの掛かりうんぬんでなく、あの展開になれば清水が凄い勢いで飛んで来る。出たところで2着だったけど、無意識に止めに行っていた。それが僕のやってきた競輪なので。良い経験になったし、あれがあったから立川記念に繋がったと思う」

 僕もツイッターで、平原にワッキーに付く様に嘆願運動みたいな事をやっていたが「SNSで、そう言う動きがあったのは見ていましたよ。裏アカでなく、普通にアカウントは持っているので。僕がマークした事に、選手からもファンからも賛同を得られた事は嬉しかった」

 あの並びが出来た事で車券が買いやすくなったし、関係者一同喜んでいた。「グランプリだけは競輪ファン以外の人も買ってくれますからね。そう言った意味でお役に立てたと思うし、金一封を貰ってもおかしくなかったでしょう(笑)」。地元記念の一発目は大きな心を持ち、3番手回り。ここにも平原の真骨頂がある。 


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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

町田洋一

Machida Yoichi

基本は闘うフリーの記者。イー新聞総合プロデューサー、アオケイ・企画開発パブリストの肩書きも持つ。自称グルメでお酒をこよなく愛す。毒のある呟きをモットーにして、深夜の戯言も好評を得ている。50代独身で80代の母親と二人暮らし。実態はギャンブルにやられ、心がすさみ、やさぐれている哀しき中年男である。

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