互譲(ごじょう)の精神

　松山城の城山公園内にあった松山競輪場(500バンク)を覚えている人も少ないだろう。当時は野球場が隣接し、レースの始まりを知らせる旗が揚がると試合を中断し、協力してくれていた。今では信じられないだろうが「互譲(ごじょう)の精神」だったんだろうね。

　宿舎はバス移動で少々遠かったが、天然温泉ときて最高だった…！ 先輩の号令で風呂へ行き、後輩が先輩の背中を流した。ごく当たり前の光景だったが、今はどうしてるのか？ 寒さが一段と増し、骨身にしみる季節になってきた。たまにはガッチリ儲け、カミサンを連れ温泉へでも行ってみっか！

準決勝に地元地区の結束力をみる

　それにしても地元地区の頑張りには目を見張るものがあるね。あっせん停止処分から復帰の松本貴治を中心に中国地区まで輪が拡がり、結束力が増大した。準決勝10Rなどはその最たるもの。門田凌は「自分の役割を果たす！」と強い決意が表れたような魂の先行で、松本に貢献し、復帰に華を添えた。

　続く11Rは取鳥雄吾が先行態勢に入ったが、和田真久留の素早い巻き返しで松谷秀幸が抜け出した。地元橋本強が切り替え突っ込み番手車券で高配当。近頃、「南関はひとつ」の合い言葉が聞こえてくるが、こちらも絆の勝利だった。

　12Rは新田祐大が石原颯に押さえられ内に詰まるが、二次予選同様、一瞬の隙を突き、内をすくい逃げ押しきった。勝つことが求められる新田のどん欲な走りだろうが…？ 決勝戦は新田らしい豪快な走りが見れるのか？ また、このレース3着の渡部哲男の最終の伸びは凄まじかった。仕上がりの良さに疑いの余地はないぞ！

妄想先取りレース実況！ それぞれが仕事をこなす時、主役のための道が開かれる！

　さあ決勝戦の予想と行くぞ！ まずは並びから！ ②新田祐大-⑥大森慶一の北日本タッグに⑧松本貴治-①橋本強-④渡部哲男の愛媛トリオ、③山田庸平-⑦香川雄介の即席コンビ、⑤松谷秀幸、⑨稲垣裕之は単騎となった。(⇐②⑥・⑧①④・③⑦・⑤・⑨)

　これなら新田の前受けを松本が押さえ主導権だ。単騎の松谷、稲垣もここに切り替えるのは当たり前。手の内を二度も見せた新田は、よもや内を突く戦法にはなるまいて！ すんなり8番手まで引いて、力勝負に打って出よう。

　何も捻らず素直に推理すれば、松本が逃げる展開で番手回りの橋本が勝ちに近い。だが、別線が来れば橋本は番手の仕事を着実にこなすだろう。今回のコラムで散々書いてきた通り「自分の役割を果たす」ってこと。「行かせん！」と動けば、愛媛3番手渡部の突き抜けるための道が開かれる！

　ここで地元勢、渡部の後ろにつけているのは松谷と睨むオレ。勢いに乗ってVロードを突き抜ける渡部、これに乗って松谷の流れ込み。待てよ？ ゴール勝負で松谷逆転まであるかもわかんねーぞ！

　渡部の仕上がりの良さは一目瞭然だし、ホームバンクでの強い想いも乗ってくるだろ。妄想の結論は『④を頭に手広く』だ。松谷の逆転も視野に①④⑤のボックスも押さえてみてはいかが？ 今開催はラインの絆が表れたレースが多い。決勝の愛媛3人組の走りはどうなるかね！

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