2021/11/28 (日) 12:00 3
武雄競輪場で開催されている「施設整備等協賛競輪飛龍賞 (GIII)」の決勝レース展望をお届け! 決勝は本日16時30分発走予定。
数々の熱戦が繰り広げられた競輪祭。その興奮が冷めやらぬ間に武雄記念が始まった。話は逸れるが、タイトル戦線にも大きな動きがあった。初タイトルを宿口陽一、古性優作、吉田拓矢が手にし、競輪界に世代交代のうねりが増したように思う! とりわけ競輪祭を優勝しグランプリ出場を成し遂げた吉田拓矢、決勝は惜しくも2着だったが、存在を見せつけた新山響平の107期の二人が世代交代の旗手になるのでは?
だが! 力だけが競輪じゃねーのも確か! 今開催のベテラン荒井崇博がその代表格じゃねーかな。細かい事は省くが、昭和〜平成にかけての良き競輪を貫く数少ない選手だろうね。
いつものように準決勝を振り返る。10Rは小原佑太が青柳靖起を突っ張り、九州作戦を木っ端微塵にしたかに見えたが、自力ある松岡辰泰に差し切られた。結果は4着に沈んだが、小原の気概を見た。11Rは絶好調の原田研太朗が前団のもつれを一気にまくり快勝! 12Rは上田がかまし、番手荒井で仕方ない展開だったが、最終バックで坂本に掬われた荒井。それでも4角坂本の中を割り突き抜けた。荒井の地元に懸ける意気込みはハンパねー!!
決勝戦の並びは②原田研太朗-⑨高原仁志の徳島コンビに①荒井崇博-⑥五十嵐力の即席タッグ、③坂本貴史-⑤内藤宣彦の北日本に⑦上田尭弥-④松岡辰泰-⑧松岡貴久の熊本勢。(⇐②⑨・①⑥・③⑤・⑦④⑧)
まずは坂本が切り、その上を荒井が切る。そこを熊本トリオの発進になる。荒井は4番手を取れば勝負になるぞ! 本線は荒井と松岡辰の直線勝負で①=④だ。坂本が上田の番手飛びつきなら、荒井-五十嵐のひとまくりの①⑥もある。絶好調原田がこれに乗れば直線逆転もあるだろう。それを警戒し、荒井と原田の①=②も押さえたいか。並びから展開を予想するとこんな感じになるが…!
待てよ? 何か忘れてやしないか? 今シリーズの上田尭弥のデキの良さよ。ここに妄想が降臨してくる。坂本が飛びつきなら、上田の後がもつれにもつれる。となれば上田がそのまま駆け抜け逃げ切りV。これだ! 競輪の格言にもある。『先行一車は黙って買え!』、これこそ妄想の神髄なり!
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。