2025/11/06 (木) 08:00 3
ちょっと前まで「暑いねぇ」が合言葉みたいだったのに、ここにきて急に冷え込みがキツくなってきた。まあ、もう11月だもんな。当たり前っちゃ、当たり前か。それにしても、秋ってやつはどうしてこうも足早なんだろう。気づいたら置いてかれた感じでさ。カミサンも衣替えに取りかかってるが、本格的な冬支度とまではいかず、「どうする? どうする?」なんてブツブツ言いながら中途半端なまま。
さて、選手のほうの“衣替え”といえばーー。夏仕様の自転車を冬仕様に替えたり、練習メニューをいじったり。そういう季節の変わり目を感じ取ってちゃんと動く連中もいる。今回の参加メンバーの中にも、すでに冬仕様で臨む選手がいるんじゃないかね。
ちょっと突っ込んで聞いても、「いやいや、そのへんは企業秘密で」なんてうまくはぐらかすやつもいれば、「まあ、別にいいっすよ」とあっけらかんと教えてくれるやつもいる。小倉競輪祭が目前に迫ってる今、エースフレームで感触を掴む選手もいれば、新車を投入してセッティングを詰めてる選手もいる。ハマればそのまま“祭りで勝負”といきたいところだ。
さて、上位陣を見ていこう。S班は新山響平、郡司浩平、清水裕友。地元勢は松井宏佑、小原太樹。そのほかナショナルチームの中野慎詞、自力自在で力をつけてきた鈴木玄人もいる。
やっぱり地元で結束できる郡司が一枚上か。小回りバンクだけに、積極戦法で押し切る新山響平の一発も怖い。いや待てよ、(新山に関しては)中野慎詞を上手く使う形になれば、これまた逆転Vも十分。…まあ、「すんなり回れれば」の条件付きだけどね。
さて、ここからは高配当を期待させる“妄想枠”選手をピックアップしていこう。もはや妄想枠には入らないかもしれないが、信頼度は高いのがこの男、谷内健太。特別昇級を果たして勢いに乗ってる。あの走りはホンモノだ。近畿の未来を背負う選手になるんじゃないか。
予選で面白そうなのは、酒井雄多、木村皆斗、篠田幸希、中嶋宣成あたり。それにベテラン・伊勢崎彰大。目標次第では差し脚が光る。人気の盲点なら、高配当が転がり込むかもな。そして、もう一人のベテラン・伊藤成紀。この男も昇級組として存在感を出してきそうだ。小田原バンクは小回りの利く“穴党の聖地”みたいなもん。ちょっと鼻が利けば、お宝ゲットも夢じゃない。
初日の妄想先取りのピックアップは7Rにする。まずは並びの整理から。④野口裕史-③伊勢崎彰大の町内会コンビに⑥阿久津修、中国ラインは⑦西田優大-②久保田泰弘-⑧小玉拓真、九州ラインは⑨伊藤旭-⑤田中陽平-①松尾透の三分戦となっている。こりゃ伊藤を本命で押すしかないね。
初手は松尾がスタートを決め、伊藤が前受けか…! ここを西田が追い、野口は後方からになろう(⇐⑨⑤①・⑦②⑧・④③⑥)。野口が西田を封じ逃げるしかない。中団取った伊藤がまくり田中の流れ込み⑨-⑤、西田が先に仕掛け、伊藤との⑨=⑦、西田が伊藤を警戒し、早い仕掛けで久保田とのへ⑦=②までが本線だね。
さて妄想展開を考えてみよう。確率は低いが「西田が押さえ、野口を出し逃がす」展開になるとき…! 伊藤が追い上げて内の西田ともつれにもつれたとき…! 野口の番手・伊勢崎が展開に恵まれる! もうこれしかない。③-④⑥⑨②⑤の高配当狙いで妄想の〆にしとくかね。
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。