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近藤龍徳の大いなる野望 〜スーパースターになる男〜

【尾張の龍・GI回顧】勝負に“臨む”のか? “迎えてしまう”のか?

2021/11/30 (火) 20:00 6

11月23日に幕を閉じたGI小倉競輪祭。今回のテーマは6日間の激闘の振り返りと、戦いを終えた現在の心境などをお届けします。

 netkeirinをご覧の皆さま、近藤龍徳です。今年最後のGI『小倉競輪祭』を走ってきました。良い結果を残せませんでしたが、今月も開催を振り返りながら思うところを書いていきたいと思います。

今回のテーマは小倉競輪祭(撮影:島尻譲)

気持ちを整えられなかった競輪祭

 最終日の一般戦、寺崎浩平君の後ろへ内から切り込んで2着。レース後のインタビューを受けて思ったけど、「何とか良い着を獲って終われた」ように映っているかもしれない。でも自分の中で全然好きな感じのレースじゃなかった。「番手に行くなら外から」みたいな美学があるってわけじゃないけど、狙い澄まして内へ行ったわけでもないし、割り切ってシビアに勝負しようと決めていたわけでもない。寺崎君の突っ張り先行を捲れる感じもなかった。

 ただ、「誰かに任せてもらった以上」という気持ち一本。コメントから「前々に」とか言っていれば、自分的に納得できたかもしれないけど、本当にただの思いつき。GIの舞台に出るような選手たちからは評価されない。中途半端なレースだった。

最終日2着で終えるもインタビューを受ける表情は険しい(撮影:島尻譲)

 悔しかったレースは2日目の一次予選2走目。内を締め切れず、鈴木裕さんに掬われた。締めてたら優作のカマシに対応できなくなると考えてしまった。こういう部分に『気持ちが整えられていない』ということの結果が出てきてしまう。いざGIへ!って気持ちを整えられていなかった。気持ちで走るしかないオレにとっては致命的。

 今回の競輪祭は昨年9月、向日町記念の決勝2着で出場権利を得たもの。過去のオレが得た権利であり、今とは別人。その瞬間に“臨むこと”ができたのか、それとも“迎えてしまった”となるのか。結果は火をみるより明らか。勝負には臨めた方がいいに決まってる。

発走直前の精神統一、前日の結果が悪くても目の前の戦いに集中する(撮影:島尻譲)

同じ失敗を何度繰り返せば気が済むのだろうか

レース後の形相が厳しさを物語っている(撮影:島尻譲)

 なぜ夏が得意で冬が苦手かを考えてみた。もちろん寒さもあるけれど、一番の大きな要因はスピードの差異。オレはもらったスピードを殺さないのが得意。冬場の重たいバンクではなかなかスピードをもらえない。

 自分の武器がない状態で戦うレースは、勝ち負け以前の問題。冬場のレースを得意になるのは難しいけど、せめてこの苦手なイメージだけでも払拭していきたい。勝てないことに慣れてしまうのが一番の恐怖。

年間を通して戦う難しさ

競輪祭を走り終えて思うこと(撮影:島尻譲)

 競輪は12月もレースがある。でも今コラムを書いていて、競輪祭で一年のひと区切りってつくのかな、と思った。と同時にすでに来年の戦いも始まっている。

 この一年を振り返ると、例年通り後半に大失速。このままでは本命サイドで決まりそうです(笑)。レース同様、本命を簡単に勝たせたら、おもしろくないから、なんとか抵抗したい。

今月の近藤龍徳語録!!

足掻いた足元は案外固い

 前に進まない時もあるだろう。それでもその場でバタバタ踏みしめろ。 活路を見出す方法は自分の足で創るだけ。その道はオレの道。進めるのは自分だけ。


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近藤龍徳の大いなる野望 〜スーパースターになる男〜

近藤龍徳

Kondo Tatunori

愛知県名古屋市出身。日本競輪学校101期卒。競輪一家に生まれ、競輪一家に育つ。学生時代から頭角を現し、高校総体チームスプリント・高校選抜ケイリンで優勝。レースデビューは2012年7月10日の一宮競輪場で、翌日11日に初勝利。その後も活躍を続け、2014年ヤンググランプリを制し、翌年にはサマーナイトフェスティバルで頂点に立つ。自身が目立つことで競輪界を盛り上げると公言しており、最終目標は「スーパースター」としている。ファンからは”夜王”の愛称で親しまれ、競輪の魅力を発信しながら交流を深めている。

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