2021/11/23 (火) 15:00 1
小倉競輪場で開催されている「朝日新聞社杯競輪祭(GI)」の決勝レース展望をお届け! 決勝は本日20時40分発走予定。
GP出場を懸け大詰めを迎えた一戦は、連日白熱したレースの連続だ! 最高レベルの戦いは、一瞬の隙で形勢逆転の憂き目に遭っちまう。GP出場のボーダーライン上にいる山口拳矢の走りに注目していたが、一次予選2で落車・欠場となり結果待ちに…。心中穏やかなはずはないだろう。
この開催は“芯”を問われる! 「信を問われる」がこの言葉の本来の使い方なのだろうが、ここは敢えて“芯”と表現する。ジタバタせず、ガツンとブレずに行く自力型や、腹をくくり突っ込む追い込みにチャンスがあるようでならない。“芯”のある選手、ここにキーワードがあるのでは!? もちろん脚力あっての“芯”であるが!
準決勝10Rは郡司浩平が切り、取鳥雄吾-松浦悠士を逃がす展開を作り、3番手を山田英明と取り合うが郡司に軍配が上がった。終わってみれば2021年タイトルホルダーが上位独占という順当な結果に。11Rは吉田拓矢の前受けからレースは進み、勝負どころで山田庸平を突っ張り、新山響平-渡邉一成にかまされた。が、吉田は平原康多を振り切り3着で決勝戦へ。新山と吉田のしぶとさは世代交代を印象付けるには十分な内容だ!
12Rは眞杉匠が北津留翼を突っ張り先行に出たが、4番手を取った新田祐大がホームからスパート。新田の楽勝パターンと思いきや、北津留がその上をまくり園田が交わす。地元コンビ絶好調! 新田はGP出場の夢が断たれた。
さて、決勝戦。まずは並びを。初手は①北津留翼-④園田匠の絶好調・地元コンビに、単騎の②郡司浩平、③松浦悠士、⑦吉田拓矢と続き、⑨古性優作-⑥山田久徳の近畿タッグ、⑤新山響平-⑧渡邉一成の北日本は後方からだろう。(⇐①④・②・③・⑦・⑨⑥・⑤⑧)
勝負どころで古性が切って新山を呼び込み、3番手か飛びつきを選択しよう(⇐⑤⑧・⑨⑥・②・③・⑦・①④)。この位置なら郡司、松浦のまくりに合わせ、古性の先まくりで乗れてる山田との直線勝負で決まる。⑨⑥②③ボックスが本線となる! …だが、そんなに上手くいくのか?
さてお待ちかねの妄想だが、ちょっと冷静に思考回路を切り替えてみる。準決勝、新山が長い距離を踏んで押し切った。決勝もメンバー的に逃げるのは新山しかいねーようだし。他の選手は北日本コンビを出させるのに脚を使うはず。準決勝の北日本コンビを振り返ると、番手の渡邉は車間を切り、冷静に対処したっけ!
ここで振り下ろす、お馴染みのフレーズ『競輪は番手』の出番だ! 決勝は準決勝の再現とは行かず、番手回りの渡邉一成が突き抜けV。ここは漏らす事なく、手広く狙い高配当ゲットといくべかね! 『⑧-全-全』でどうだ!
ただ今シリーズ絶好調の園田も気になる…! 準決勝、あれだけ踏めてた北都留を差し切ったデキはホンモノだ! さあ、決勝は果たして!?
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。