アプリ限定 2021/11/18 (木) 19:00 8
グループBに出場予定だった前年度覇者の佐藤水菜はチャンピオンズリーグ参戦のため、今開催を欠場。10月にフランスで行われた世界選手権・ケイリンで銀メダルを獲得する快挙を見せてくれた佐藤の欠場は残念ですが、グループBも勢いのある好メンバー揃いです。
そんなレースの見どころや出場選手の近況をデイリースポーツの松本直記者に届けてもらいました!
グループA、Bの優勝者には12月28日のガールズグランプリ本番の1、2枠(※優勝者2人のうち、選考順位上位者が1枠、次点が2枠)が与えられる。
選考用賞金額で出場濃厚の選手は本番での好枠を目指した戦い。出場権のない選手は優勝で滑り込み出場を目指す3日間から目が離せない。
中心になるのは女王・児玉碧衣だ。今年の夏、7月のガールズケイリンフェスティバル(函館)で自身初の予選敗退を経験。このままズルズル負け癖が付いてしまうかと思ったが、8月のガールズケイリンコレクション・ドリームレースで復活のV。ファン投票ベスト7の争いで最終2角4番手から豪快にまくって1着。上がりタイムは驚愕の11秒3をたたき出した。
スランプを乗り越えると連勝街道をまっしぐら。秋には腰痛で1場所休むこともあったが、白星を量産。直前の広島で完全優勝を決めて、ガールズケイリン新記録となる25連勝を達成した。前記の広島では東京五輪使用の新フレームも投入。乗りこなせていない状況でも決勝では11秒5の上がりタイムを計時した。グランプリトライアルまでにセッティング、フレームとの一体感が増せば、タイムは縮められるはず。
グランプリトライアルは2018年が優勝、2019年準優勝、2020年優勝と好成績を残している大会。地の利を生かしてファンの声援を追い風にして、3連勝の完全優勝を目指す。前人未到のグランプリ4連覇へ弾みを付けたい。
児玉にとって一番厄介な相手は同門の後輩・尾方真生だろう。尾方は2020年5月デビュー。昨年に続き、2回目のグランプリトライアル参加。今年は優勝13回。賞金ランキングも6位。グランプリ出場が可能な位置にいる。7月函館のガールズケイリンフェスティバル予選では姉弟子の児玉碧衣を不発にしている。長い距離を高いスピード域で踏める強みを生かせば、児玉を倒す場面も十分ありそうだ。
ガールズケイリン1期生の小林莉子は6年ぶり3回目のグランプリ出場はほぼ濃厚。今年は優勝11回。賞金ランキング3位に位置している。9月西武園から10月立川まで5場所連続優勝も達成と安定感が増している。レースを読む力はガールズケイリンの中でもトップクラス。Sの速さを生かした自在な組み立てで、勝負所は逃さない。好位確保から児玉、尾方の2強崩しを狙っていく。
静岡県勢として、闘志を燃やすのは久米詩だ。昨年の当大会は繰り上がり出場だったが、今年は優勝7回。10月前橋では小林優香を相手に逃げ切りで優勝と好成績を残している。直前の平塚ではグランプリトライアルを見据えたレースをしていただけに、本番で成果が出る可能性が高い。小倉では7月の児玉碧衣を倒して優勝した実績もある。逃げまくり差しと何でもできる強みを生かして、波乱を巻き起こしたい。
昨年のグランプリトライアルで一番悔しい思いをしたのは尾崎睦。最後の最後で鈴木美教に逆転をされてグランプリは次点になってしまった。この悔しさを晴らすには同じ舞台で勝つしかない。10月小田原、同月四日市、11月平塚と3場所連続完全優勝と好調の波に乗りだした。東京五輪使用の新フレームにも手応えをつかんでいるだけに、混戦になれば突っ込んでくるはずだ。
松本直
千葉県出身。2008年日刊プロスポーツ新聞社に入社。競輪専門紙「赤競」の記者となり、主に京王閣開催を担当。2014年からデイリースポーツへ。現在は関東、南関東を主戦場に現場を徹底取材し、選手の魅力とともに競輪の面白さを発信し続けている。