アプリ限定 2021/11/17 (水) 19:00 10
ガールズグランプリのトライアルレースは今年で4回目。2018年は梅川風子、2019年は小林優香、2020年は佐藤水菜が圏外からグランプリ行きのプラチナチケットを手に入れた。年に1回のサバイバルレースが今年も始まる…!
見どころや出場選手の近況をデイリースポーツの松本直記者に届けてもらいました!
グループA、Bの優勝者には12月28日のガールズグランプリ本番の1、2枠(※優勝者2人のうち、選考順位上位者が1枠、次点が2枠)が与えられる。
選考用賞金額で出場濃厚の選手は本番での好枠を目指した戦い。出場権のない選手は優勝で滑り込み出場を目指す3日間から目が離せない。
グループAでグランプリ出場ほぼ濃厚なのは石井寛子。今年はここまでキャリアハイの戦歴を残している。83走して1着71回、優勝23回。ビッグレースでは7月函館ガールズケイリンフェスティバルで優勝。賞金ランキング1位を突っ走っている。安定感の秘訣(ひけつ)は練習量が増えたことだ。1日のタイムスケジュールを緻密に管理し無駄なく練習をしている。ひとつ不安があるとするならば、グランプリトライアルとの相性の悪さだ。18年は3着、3着、決勝3着。19年は5着、5着、5着。20年は5着、5着、1着と当大会を苦手にしている印象。
しかしパワーアップした今ならば、不吉なジンクスを打ち破り、きっちり優勝してガールズグランプリの内枠をゲットしてくるだろう。
高木真備は夏から秋にかけて賞金の積み上げに成功。追加で参加した直前の豊橋ミッドナイトを完全優勝、賞金ランキング5位で小倉入りを決めた。高木自身がきっちり決勝に進出し、賞金の積み上げができれば、グランプリ出場はほぼ確定。東京五輪使用のフレームもマッチしていて、何でもできる強みを生かして、グランプリトライアル初優勝を目指す。
ナショナルチームメンバーの小林優香、梅川風子は競技中心のスケジュールのため、グランプリ出場にはここで優勝するしかない。
東京五輪代表の小林は先日SNSで3年後のパリ五輪を目指すことを発表したばかり。目標がはっきり定まったことで、気合は増しているはずだ。グランプリトライアルは2019年優勝、2020年は準優勝と相性のいい大会。2年ぶり4回目のグランプリ出場へ向けて、世界基準の走りで優勝をつかみとる。
梅川も当大会とは相性が抜群。2018、2019年と2年連続優勝。今年後半はナショナルチームの活動がメインになり、ガールズケイリン参加は9月宇都宮以来となる。パワフルなまくり脚は小倉バンクに合っているだけに、人気がなければ穴で狙ってみたい選手だ。
坂口楓華は初のグランプリ出場を確実にするためにも1円でも多く稼ぎたい。賞金ランキングは4位。10月の大宮で落車もあったが、出走回数91回は参加28人中、1番。休むことなくしっかり走り、ファンの車券に貢献してきた。年頭から目標に掲げてきたグランプリ出場へ、最後まで走り抜ける。
地元静岡代表の鈴木美教も気合が入る。今年のグランプリ開催場は静岡競輪場。鈴木は地元グランプリに出ることだけを考えて走り続けた。直近2場所の決勝着順がイマイチだったため賞金ランキングは7位。がけっぷちからの勝負駆けだ。2年前の静岡ガールズグランプリは最終バックで内に詰まり、何もできず7着と終わっているだけに、リベンジに燃えている。地元の夢舞台に立つためには、小倉で結果を残すしかない。
松本直
千葉県出身。2008年日刊プロスポーツ新聞社に入社。競輪専門紙「赤競」の記者となり、主に京王閣開催を担当。2014年からデイリースポーツへ。現在は関東、南関東を主戦場に現場を徹底取材し、選手の魅力とともに競輪の面白さを発信し続けている。