怪我によるブランクも感じさせない、吉澤選手の走りにも注目！

　まずは【東京五輪】男子ケイリンに出場している、脇本選手と新田選手、準々決勝進出おめでとうございます。

　自分が選手だった頃からすると、2人がこれほどの活躍をしているのは信じられない思いもしていますし、メダル争いも充分に期待できそうです。

　ブノア・ベトゥ氏が2016年にヘッドコーチに就任してから、一気に日本選手のレベルが向上しただけでなく、それに伴って漢字の競輪から、カタカナのケイリンとしての変化が、選手のスピードとしても表れています。

　特にS級S班といった上位の選手は、ナショナルチームの練習を取り入れるだけでなく、佐藤慎太郎選手のようにナショナルチームで合宿をするようにもなっています。

　間違いなく日本の競輪のレベルは上がっていると思いますし、その中でもトップの選手である新田選手、脇本選手にはメダルを取ってもらって、競輪の知名度も上げてもらいたいです。

　昼のケイリンの後には、夜に川崎で競輪が行われます。【アーバンナイトカーニバル】の決勝ですが、唯一の3車となったのが、内山選手-簗田選手-白戸選手の南関東ライン。一方、関東ラインは雨谷選手-吉澤選手で並びました。四国ラインは門田選手が前で、後ろが高原選手。櫻井選手、伊原選手は単騎となっています。

　今回の出場選手たちは【オールスター競輪】に参加しないので、この決勝も誰が勝ってもおかしく無いようなメンバー構成となりました。ただ、決勝で3着以内に入れば競輪祭の出場権が得られますし、それだけに初日から激迫した、面白いレースが行われてきています。

　その中でも、連日に渡っていいレースを見せているのが南関東ラインの先頭を走る内山選手です。これまでは捲りだけでなく、追い込みも併用した走りを見せていました。

　ただ、今回はそこまで警戒されていないだけでなく、ジャン前からもがき合うような選手もいないこともあってか、ホームから果敢に仕掛けるレース運びで、この決勝に進んできました。

　また、調子の良さが目立つのは雨谷選手です。その後ろを回る実力者の吉澤選手も、怪我による長期欠場明けながら、レースごとに調子を上げてきており、それが今日の準決勝の走りでも見られました。

　スタートを取るのは雨谷選手だと思います。南関東ラインは白戸選手が1番車に入っただけに、他の選手を見ながら好きな位置を取れるはず。そうなると有利な中団を狙ってくると思うので、関東ラインの後ろに南関東ラインが並び、その後ろが四国ラインと単騎の伊原選手、そして櫻井選手で並ぶのではと見ています。

　前を行く関東ラインを抑えにかかるのは、四国ラインでしょう。南関東ラインは一度、インを切ってから先行体制に入るかと思いますが、内山選手は後ろに2人が付いていてくれると言えども、積極的に動いていかないのではと見ています。先行体制に入ったとしても、そのまま流して、自分のペースで先頭に立てたのならば、ラインの長さも見方する形で、レースを優位に運べるでしょう。

　ただ、先行選手としては内山選手よりも、雨谷選手のスピードが上です。川崎バンクは捲りが決まり辛いですが、それでも早めに仕掛けていけるような、踏み出しのいい選手だと結果は変わってきます。それができるのは雨谷選手であり、南関東ラインを捲り切れるようだと、その後ろを走る吉澤選手が優勝に近づいてきます。

　自力型のもう一人である門田選手は車番が悪くなっただけに、先行は難しいと思いますが、そこから巻き返して行ける脚力は持っています。単騎となった櫻井選手、伊原選手共に機動力もありますし、混戦となった場合に車券に絡んできそうです。

　この決勝は並び次第で展開もガラッと変わってきそうなだけに、スタートから目が離せないレースともなりそうです。

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