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鈴木誠のハイブリッド展望

【よさこい賞争覇戦予想】勝敗の行方を左右するのは眞杉VS石原の先行争い! 気持ちで勝るのはどちらの選手か?/鈴木誠の展望

2021/08/01 (日) 12:00 4

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は高知競輪場で開催されているよさこい賞争覇戦の決勝レース展望です。

単騎の佐藤は初めてのビッグタイトルを取ったバンクで一発を狙う!

【よさこい賞争覇戦】の並びですが、関東ラインが眞杉選手-長島選手-河村選手-志村選手と4車で並びました。その他は中川選手-坂本選手の九州ライン、石原選手-山中選手の四国ラインとなります。単騎の佐藤選手ですが、石原選手の動きの良さからしても、四国ラインの後ろにいるのではないかと見ています。

 実質、三分戦のようなレースとなりましたが、自力型の3選手で、誰が先行するかが勝利の鍵を握っていると思います。これまでのレースからしても、中川選手は捲りを狙っているはずですし、となると、石原選手と眞杉選手の先行争いとなりそうです。

 高知競輪場は500バンクの中ではコーナーが大きくて、傾斜も緩やかです。直線もそれほど無いので、前残りのレースが多くなり、そこに軽いバンクも手伝ってか、先行しても好タイムが出やすくなっています。

 時計からも証明されているように、今大会で動きの良さが目立っているのは石原選手です。準決勝では1コーナーあたりから踏み出して、バックでは早くも先頭。そして山中選手を引き連れてのワンツーフィニッシュを果たしたのですが、その時の上がりが13秒2。驚異的なタイムであるだけでなく、捲りの出にくい高知バンクでは、インパクトのあるレース内容だったと思います。

 一方、後ろに関東の選手を3人も引き連れた眞杉選手は、ラインとしてかなり有利であるのは間違いありません。しかも、今大会は番手を回っている長島選手の調子の良さも目立っています。眞杉選手の立場としては、長島選手のように動ける選手が、前を任せてくれただけでなく、番手で付いてきてくれるので、それ以上の走りをしなければとの思いも強くなるはずです。

 前受けをするのは、捲りを狙ってくる中川選手となりそうです。その後は車番的にも眞杉選手が先頭に立っている関東ライン。7番手となった石原選手は、山中選手と共に中川選手を抑えにかかると見ています。

 この時、眞杉選手が一緒に出ていくのか。もしくは一度、石原選手にインを切らせて、そこから巻き返していくかの選択となりますが、自分の観点からすると、眞杉選手は石原選手と一緒に出て行って、主導権を渡さないのではと見ています。そうなると眞杉選手の番手を回る長島選手には、願っても無い展開となりそうです。

 ここまで3連勝の佐藤選手ですが、石原選手が出きってくれた場合、その3番手を回っていた時にチャンスが産まれてきそうです。ただ、今回の並びで単騎のレースを選択したことを考えると、完全優勝は難しいのではないのでしょうか。

 それでもレース巧者の佐藤選手ならば、どんな展開になったとしても、車券圏内には突っ込んできそうであり、何よりも高知競輪場は、初めてのビッグタイトル(03年の全日本選抜)を取ったバンクともなります。

 そのレースには自分も出走(3着)していたのですが、ゴール後は佐藤選手や自分も他選手も含めて、数名の選手が落車。それでも狭いところを突っ込んできた見極めと勝負勘は、今も変わりありません。今回もゴール前で混戦となった時に、佐藤選手がほんの僅かの差で抜け出しているのかもしれません。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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