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鈴木誠のハイブリッド展望

【瑞峰立山賞争奪戦予想】単騎が4人のコマ切れ戦! この混戦を断ち切るのは、決勝で唯一のSS班である、犬伏の豪快な捲り!/鈴木誠の展望

2025/08/03 (日) 12:00 5

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は富山競輪場で開催されている「瑞峰立山賞争奪戦」の決勝レース展望です。

先行勢有利な333バンク! 逃げた近畿ラインの3番手にいる単騎選手が穴を開ける!

【瑞峰立山賞争奪戦】が行われている富山競輪場ですが、北陸新幹線が2015年に金沢まで延伸するまでは、辿り着くのが大変な競輪場でした。

 自宅のある千葉からの経路となると、まず羽田空港から小松空港まで移動。そこから富山行きのバスに乗り込んで、競輪場まではタクシーに乗車していました。

 時間がかかるだけでなく、自転車を宅配業者に頼んでいなかったころは、どの競輪場へも革製の輪行袋に自転車を入れて、自宅から競輪場まで移動していました。

 それだけに移動の手間や時間に加えて、乗り換え回数も多くなる富山競輪場は、到着しただけで疲労感がありました。

 ただ、それを癒してくれるのが、宿舎の食事です。日本海の新鮮な海鮮が出てくるだけでなく、富山名物のブラックラーメンもメニューに並んでいました。

 解説者となった今では、東京駅から新幹線に乗車すれば、富山駅に乗り換えなしで向かうことができます。また、現在は敦賀まで延伸しており、関西圏からの行き来も更に便利になりました。

 決勝に勝ち進んだ9名のうち、東日本は2名(菊池岳仁、和田真久留)となっている一方で、西日本は7名となっています。地区によって移動手段は様々ですが、北陸新幹線の開業によって、どの地区からも行きやすい競輪場になったのは間違いなさそうです。

 決勝の並びは近畿ラインが⑥岸田選手-①村上選手、四国ラインが⑦犬伏選手-③松本選手-⑧山形選手となった一方で、②和田選手、④菊池選手、⑤山口選手、⑨伊藤選手は単騎というコマ切れ戦になりました。

 この9名の中で唯一のSS班が犬伏選手です。今大会は初日の特選を8番手からの鮮やかな捲りで勝利。二次予選も逃げて勝利と、盤石のレースを見せたかと思いきや、準決勝では先行した岸田選手が逃げ粘ったこともあり、7番手から捲っていって、何とか3着に食い込みました。

 捲りに構えることが多い犬伏選手は、道中でどうしても後方に置かれます。そこからでも巻き返して行ける脚力はありますが、それでも333バンクだと前を捉えきれないレースも見られます。それが準決勝のレース結果にも表れました。

 犬伏選手にとっては、決勝も岸田選手との再戦になります。1番車に村上選手が入っていますが、近畿ラインは準決勝と同じように、四国ラインを前に出すはずであり、犬伏選手としても決勝では唯一のSS班だけに、前受けをしてくるはずです。

 近畿ラインの後は和田選手から伊藤選手まで、単騎勢が車番通りに並んでいくと見ています。道中で動いてくるのは、単騎ながらもバック回数の多い菊池選手でしょう。その仕掛けに伊藤選手も付いていくかもしれませんが、最終的には岸田選手が先行態勢へと入ってレースが動いていくはずです。

 先行した近畿ラインの3番手に、どの選手が入っているかも注目です。車番的には和田選手となりそうですが、立ち回りの上手い山口選手も侮れません。

 2人はタテ脚もあるだけに、3番手に入れたのならば、犬伏選手が仕掛けてくる前に先捲りを仕掛けてくるはずです。番手の村上選手はその捲りを止めたいところですが、タテ脚では劣るだけに、番手の仕事はできるものの、2車のラインでは分が悪いと言えます。

 ただ、不完全燃焼に終わった準決勝の走りを糧にした犬伏選手は、この決勝ではある程度の位置から仕掛けていくと見ています。

 この捲りに番手の松本選手が付いて行けたとしても、抜き去るまでは難しいでしょう。以下、3着を広めに買うのを3連単の本線に据えて、山口選手から、2着に和田選手、伊藤選手の単騎3人を絡めた車券を穴候補としておきます。

 印としては◎⑦犬伏選手、◯③松本選手、△⑤山口選手、×②和田選手です。9番車の伊藤選手ですが車番が悪いだけに、ここでは思い切ってスタートを取りに行って、先行した近畿ラインの3番手に入れるようならば、優勝も見えてきます。

【オールスター競輪】に出場する選手は、ここでいい流れを作っておきたいと思っているはずです。犬伏選手も勝つレースだけでなく、強さをアピールするようなレースを見せて欲しいと思います。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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