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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

5車立ては“欠陥商品”

2021/08/02 (月) 15:00 30

 競輪の5車立ては“欠陥商品"だと思っている。

 コロナ禍のステイホームで、売り上げがバブル状態だったが、無策の為か、ここのところ陰りが見えてきた。モーニングやミッドナイトは健闘しているが、ボートと更に開きが出て来ている。売れない商品を並べている八百屋なんてないし、同じ商品でも、売っているお店で価値は違ってくる。これは昔から良く例える例だが、銀座の高級ショップ・エストネーションで販売すれば、その事自体で商品価値が高まる。魅せ方で変わるのも確かだが、この5車立ては根本的に売る価値のない商品だ。

 僕も最初は7車立ては懐疑的だった。あれは、競輪ではないと思っていたのは事実。だが、ファンに浸透し支持されたし、この方向性は間違っていない。車立てが少なくなれば当たりやすくなると言うのは間違いで、根本的に違う競技である。5車立て、6車立ては、ケイリンでも競輪でもない。2対3、あるいは2対・2対・1のスプリント競技と言った感じだろう。

 この5車立てを改善するのは簡単で、選手に手厚い補償をしてレースカットをする。もしくは、ワクチンを2回打っていてPCRが陰性ならば、前検日前日の追加を認める。そうすれば、この時点で、車立ては満車になる。補充を認めるなら、追加の時と基本的に同じ様なルールにする。とにかく、今は“おかしな平等主義"が世の中にはびこっており、このワクチン2回接種のインセンティブも否定されるかもしれない。

 競輪は地方自治体が主催しており、ボートやJRAと同じ理屈とは言えないのも確か。非常事態宣言や、まんぼうが出ていて、通常開催や有観客は厳しいかもしれない。ただ、普通に考えて競輪場は65歳以上のファンが多いし、ワクチン接種者。ビッグレースを楽しみにしている全国のファンの為にも、ワクチン2回の接種者は優先的に入場出来るなどの施策を取って欲しい。現状、民間投票サイト頼みなのも実情だ。TIPSTARは新規ファンを開拓し、今迄の競輪界の取り組みとは全然違う。チャリ・ロトやウインチケットも広告宣伝をバンバン打ち、キャッシュバックなどでファンに還元している。オッズパークやKドリームスは競馬ファンをミッドナイトなどに連れてきた。コロナ禍の巣ごもり需要で競輪界はチャンスだったのに、一過性の売り上げのアップで“あぐらをかいている"と言えよう。

 最後に高知記念の長島大介の優勝は、関東の競輪や、競輪の絆を考えた時に嬉しく思う。長島や宿口陽一は、普段は捲り屋だが、何度もラインの為に死んで貢献してきた。人情味のある競輪が出来る2人だ。そして、平原康多が3年も4年もタイトルが遠ざかっている現実を関東の若手先行選手は深く考えて欲しい。オールスターのファン投票1位は、平原の人間性もあるが、報われない浪花節的な要素も入っていると思う。どんな時代になっても“選手ファースト”で“ファンファースト”の競輪界であって欲しいと節に願っている。

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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

町田洋一

Machida Yoichi

基本は闘うフリーの記者。イー新聞総合プロデューサー、アオケイ・企画開発パブリストの肩書きも持つ。自称グルメでお酒をこよなく愛す。毒のある呟きをモットーにして、深夜の戯言も好評を得ている。50代独身で80代の母親と二人暮らし。実態はギャンブルにやられ、心がすさみ、やさぐれている哀しき中年男である。

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