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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

古性優作のGI・Vで近畿の競輪の新たな始まり

2021/08/15 (日) 22:00 35

古性優作のGI優勝は素直に嬉しい

 どんな時代になっても、ラインに貢献してきた選手が特別競輪で勝つと嬉しく思う。車券に当たった、当たらないでなく、古性優作のGI優勝は素直に嬉しいと思う。脇本雄太がオリンピックに賭ける時期、古性優作は一人で近畿の競輪を支えて来たと言っても良い。

 30代を過ぎて、ラインに貢献しない選手は、ピークを過ぎると、残念ながら淘汰されて行く。これは悲しい現実だし心を痛めているが仕方ない。プロアスリートの世界で、結果が全てだし、成績が落ちると周りの目が厳しくなる。近畿のマーク屋の序列の話を書いたが、元々、古性優作の立ち位置は高い。同じ自力選手と言う観点から言えば、三谷竜生との関係性ぐらいだ。これは北日本の守澤太志と一緒で、天狗にならず、常に佐藤慎太郎を立てている。古性の性格を考えれば、守澤と同じで、今後も謙虚に振る舞い、先輩の自力選手を重んじて行くだろう。俺が、俺がでなく、周りが自然と古性を担いでくれる。

 どうしても関東の若手先行選手に厳しい意見を持っているが、今回のオールスターは、それなりに良い走りをやっていた。だけど、親方の平原康多を決勝に乗せるだけでなく、決勝で先行して平原康多を優勝させないと、真の関東の競輪が始まったとは言えない。

 どんな時代になっても、個々の地区に好きな選手はいるが、近畿の統率の取れた競輪が昔から好きだ。40歳を過ぎたベテラン自力選手でも、ラインに貢献してきた恩恵があるので飯を食って行ける。きちんとした競輪をやってきていれば、現代社会の日本と違い、使い捨てにならない。ここも近畿の競輪が好きな所以だ。

 これから新旧交代があり、正式発表はされていないが、脇本雄太や新田祐大はナショナルチームを卒業して、深谷知広がまとめて行く。中国ゴールデンコンビが決勝に乗れなかったが、脇本や新田の復帰が理由として当然上げられる。お約束のネガティブ発言が多かった清水裕友だが、こんな事で終わる男ではない。松浦悠士も競輪と常に真摯に向き合い、策士だから、次のステップアップは当然考えている。

 そして、今迄の近畿の競輪を築き上げてきたのは村上兄弟。今後、どんな風に、古性優作が振る舞うかも気になる。FIだと、ヨコも使わず、普通の自力選手なので、車券で裏切る姿も多かった。敢えて反則技を使わない、プロレスラーのブッチャーみたいでハンデ戦に挑んでいるようだった。そして、仲間内の関係や、見栄えを美徳とする風潮が競輪選手の中にあるが、常に選手は1着を求めるべきだと思っている。これは後輩のA記者が言っていたが、全盛時の伏見俊昭や岡部芳幸のVTRを養成所で見せて、教材にすべきだと。この2人は貪欲に1着を狙っていたし、僕自身も選手の鏡だと思っている。そして、古性選手、オールスター優勝おめでとう。自分が思い描く、近畿の競輪を築いて欲しいと思う。

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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

町田洋一

Machida Yoichi

基本は闘うフリーの記者。イー新聞総合プロデューサー、アオケイ・企画開発パブリストの肩書きも持つ。自称グルメでお酒をこよなく愛す。毒のある呟きをモットーにして、深夜の戯言も好評を得ている。50代独身で80代の母親と二人暮らし。実態はギャンブルにやられ、心がすさみ、やさぐれている哀しき中年男である。

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