閉じる
鈴木誠のハイブリッド展望

【不死鳥杯予想】近畿の4車に対抗するのは、3車の東日本ライン! 山口は捲りにかける!/鈴木誠の展望

2021/07/11 (日) 12:00 4

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は福井競輪場で開催されている不死鳥杯の決勝レース展望です。

高速バンクを味方につけた郡司が、森田の後ろから番手捲りを決めるか?

【不死鳥杯】が行われる福井競輪場は、標準的な400バンクであり、走りやすい上にタイムも出るので、力の差がはっきりと表れます。ただ、今大会は天候が変わりやすく、時計を見ても、バンクコンディションにムラがありました。

 その中で、3日間を通して好タイムを出していたのが山口選手です。初日にマークした10秒9のタイムもさることながら、二次予選ではホームで他の選手にどかされながらも、体制を整えてからの捲り追い込みは、速さに加えて『強い!』の一言でした。

 今大会でもう一人、強さと速さが際立っているのが郡司選手です。準決勝では先に抜け出した藤井選手ともがき合いながら、最終の向正面では大石選手の番手から捲っていきました。2週半ほど脚を使っていたにもかかわらず、それでも後ろを回ってきた三谷選手を抜かせなかったレース内容を見ても、かなり体調がいいように見えます。

 並びですが、近畿ラインの4名は先頭が古性選手。その後が三谷選手が付けて、3番手以降は松岡選手-村田選手となりました。東日本ラインは森田選手-郡司選手ー齋藤選手でまとまり、山口選手の後ろには岩津選手が付ける3分戦となっています。

 近畿の4人が決勝に残った時、当初は三谷選手が前を走るのではないかと思っていました。この並びとなると4車とは言えども、古性選手が捨て身で先行することはないのではと思います。

 2車の山口選手も先行は無いと見ているので、必然的に先行するのは森田選手となりそうです。その時に古性選手と山口選手がどの位置にいるかなのですが、位置取りの上手さからしても、東日本ラインの後は古性選手が付けていそうです。

 古性選手も早めに森田選手が先行してくれれば、4番手とは言えども捲れるチャンスは出てくると見ているはずです。スタートを取るのも1番車の古性選手でしょう。自分が前を走ることで、後ろを走る山口選手と森田選手の脚を使わせることになりますし、2人が警戒しあってごちゃついた時に、すんなりと4番手を取れるポジションともなるからです。

 それでも、今回の郡司選手は調子の良さが際立っています。高速バンクを味方につけて、先行する森田選手を早めに交わしていくようだと、捲ってくる古性選手や山口選手ですら、届かないのではないのでしょうか。

 その郡司選手の後ろを走る齋藤選手も、レース巧者ぶりが目立っています。追い込み選手では岩津選手の走りにも注目していますが、この2人が車券に絡むとするなら、ラインの先行選手の仕掛け次第となりそうです。

レース情報はこちら

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

閉じる

鈴木誠コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票