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鈴木誠のハイブリッド展望

【阿波おどり杯争覇戦予想】中四国の5人は徳島の3人と、町田-池田で別線を選択! コマ切れならではの激戦となるか?/鈴木誠の展望

2021/07/04 (日) 12:00 3

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は小松島競輪場で開催されている阿波おどり杯争覇戦の決勝レース展望です。

先行体制に入った徳島ラインの後ろを回るのはどの選手か?

 バンク改修が行われた小松島競輪場ですが、ブルーに塗り替えられたバンクは見た目の美しさだけでなく、準決勝までのレースを見ても、選手たちが走りやすそうな印象を受けます。

 小松島のバンクと言えば海からの強風に悩まされることも多かったのですが、今大会は穏やかな風とは対照的に、激しいレースが続いています。また、皿型バンクの特徴を生かした自力型の選手が力を発揮しており、先行もかかっていましたが、その一方で捲りの選手が苦戦しているのは昔と変わりません。

 今月から期の変わり目となります。A級から上がってきた選手たちが、記念競輪を沸かせてきたようなS級の選手たちに、どのような走りを見せるかにも注目していましたが、目立った活躍を残せなかったことは残念です。

 決勝の並びは太田選手-小川選手-小倉選手の徳島ラインが唯一の3車となり、中四国ラインで戦ってきた、町田選手-池田選手は別線を選択しました。同じ2車となったのが、佐々木選手と和田選手との東日本ラインで、山田選手、中井選手は単騎での競走となります。

 最近の中四国勢はトップの選手層が厚く、それが今回の決勝メンバーにも証明されています。とは言えども、徳島の3人の前を町田選手に走らすわけにもいかなかったのでしょうし、そして池田選手を5番手にすることもできなかったのでしょう。

 結果的にコマ切れ戦となったことで、難しいレースともなりました。この中で積極的に先行してくるのは太田選手だと見ています。その後ろを走る小川選手は、タイミングを見ての番手まくりも考えられます。小倉選手も追込選手としての仕事をキッチリとしてくるはずです。

 前を取るのも太田選手になりそうです。他のラインはいずれも2車ですし、そんなに早く先行したいとは思っていないはず。太田選手も抑え先行をするよりも、前を取ったあとに一度引いて、カマシ先行をした方がレースがしやすくなるはずです。もし、他のラインが遅めに来るようなら、突っ張り先行をしてもいいと思います。

 そうなると、他のラインにとって魅力的な位置取りは、徳島ラインの後ろとなります。単騎の2人ですが、車番的に東日本ラインの後ろには山田選手、中四国ラインの後ろが中井選手が付けるのではないかと見ています。こうなるとコマ切れ戦ながらも、見た目には綺麗な三分戦となりそうです。

 町田選手は太田選手との先行争いはしないと思いますが、それでも抑えにはかかるはず。そこで佐々木選手は先行体制に入ると思いますが、徳島ラインのかましに、上手く付いていけるようだと勝機も見えてきます。

 佐々木選手はこの大会までにF1を2場所続けて完全優勝しているように、状態面は申し分ありません。同じ先行型の町田選手もいいレースをしていますが、準決勝までのレースを見る限り、佐々木選手の方が調子が良さそうです。

 ただ、単騎の選手次第では綺麗な三分戦どころか、一気に激戦ともなりそうです。単騎の二人では山田選手の立ち回りの上手さが目立ちます。その意味でも山田選手が勝負所でどこに付けているかにも注目したくなります。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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