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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】オランダ王国友好杯に出場する浅井康太、北津留翼を解説!

2021/06/05 (土) 12:00 3

加藤慎平の「筋肉診断」。今回は別府記念競輪「オランダ王国友好杯(GIII)」に出場する浅井康太選手、北津留翼選手を解説する。

●浅井康太

 身長は180cm、体重は75キロとトップレーサーとしては圧倒的細身である。関節も細くバランスの良い筋肉が全体的に付着し、しかも長身ときた。恋愛漫画の主人公のようなフォルムだ。(顔は別として)

 フロント、サイド、バックと写真を見ているがやはりここの部位が素晴らしすぎる。そう、それは『ケツ』だ。

 しかもケツの上部。中臀筋の発達が尋常ではない。中臀筋と言うのはある程度遺伝的な素質(骨格)も関係してくるが、鍛えるには1番トレーニング難度が高い部位とも言える。

 自転車を速く進ませる為の要素は沢山あるが、ペダルを速く回転させ、不安定な自転車をよりクイックに動かす為にガイドする大きな役割を担うのは中臀筋なのだ。自転車競技に関わらず他競技でもフィジカルモンスターと言われる選手の多くは中臀筋が発達している事が多い。

 そしてもう1つ。浅井選手の身長は180cmと筆者と一緒なのだが、会うたびに思うことがある。『オレより3センチくらい身長高いだろ』と。

 その理由は立ち姿にある。浅井選手の立ち姿が異常に綺麗なのだ。骨盤が立ちながらも窮屈ではない。背骨のカーブもナチュラル。骨が本来あるべき正常な位置で機能している事が背を高く見せている要因なのだろう。

 そんな彼だが近年独自の路線を歩んでいる。頻繁に更新されるSNSはスピリチュアルと言うか……、それを振り切りもはや意味不明だ。たまに知り合いから『浅井さんのTwitterこれどういう意味ですかね?』と聞かれる事がある。その時は当方も同じグランプリレーサーとして『はいはいなるほどね』と答えるが内心ではお花畑がよぎっている。今度ゆっくりと話そうと思う。

●北津留翼

 身長は177cm、体重は85kgと充分なフレーム(骨格)と筋量がある。特に突出して発達しているのがなんと言ってもカーフ(ふくらはぎ)だろう。そのような身体的素質を持った選手に掛ける言葉があるのだが競輪界では独特の言い回し、褒め言葉がある。それは『ふくらはぎにソフトボール入ってんじゃね?』である。

 あくまで想像だが北津留選手は何十回、何百回と言われたはずだ。身長に比べると下肢(両足)は短めだが太い関節から豊富な筋量が見て取れるのでパワー負けする事は無いだろう。

 何よりデビュー当初からナショナルチームに身を置き卓越したダッシュ力、トップスピードで日本のスプリント界を席巻してきたのだが国内の競輪では不器用で大味な組み立てが災いしなかなか結果が出なかった。

 その北津留選手がルール改正や7車立て開始を切っ掛けに完全に覚醒したのだ。有り余る素質がありながら結果が出ず第三者の筆者もやきもきしていたが、今の覚醒具合を見るとタイトルの1本や2本は獲ってしまうのではないかと思わせる強さだ。

 余談だが最近インタビューで見せるネックゲイター(首から鼻までを覆うスポーツマスク)姿が完全に上〇クリニックにしか見えない。なるほど…確かにタイトルホルダーになる為には競輪界でひとつウエノ男にならなければならない。準備は出来ていると言う意思表示と筆者は読む。

●本レースで注目すべき選手は…?

 東の横綱郡司浩平選手と西の横綱松浦悠士選手が出走ならば、この2人が間違いなく4日間を引っ張っていく。

 筋肉診断でもピックアップした浅井康太選手だが、山口拳矢選手を上手くガイド出来た時にはこのSS級2人に間違いなく食い込んで行くだろう。

 そして地元九州勢だが面白いのは予選スタートの若手自力選手勢と見る。瓜生崇智選手、上田尭弥選手、林大悟選手、岩谷拓磨選手辺りがブレイクすれば強力なラインが形成されるはず。

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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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