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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】五稜郭杯争奪戦に出場する高橋晋也、坂井洋を解説!

2021/05/13 (木) 16:00 4

加藤慎平の「筋肉診断」。今回は函館記念競輪「五稜郭杯争奪戦(GIII)」に出場する高橋晋也選手、坂井洋選手を解説する。

●高橋晋也

撮影:島尻譲
撮影:島尻譲

 身長は178cm、体重は90kgを超えており、自転車乗りとしては充分な身体フレーム(骨格)を持っている。

 デビュー3ヶ月でS級まで上り詰めたその素質に疑いの余地は無いのだが、高橋の体型は少し特徴的だ。パッと見、競輪において重要部である大腿四頭筋、ハムストリングの筋量も充分なのだが、どうも全体的なフォルムがアンバランスだ。原因は体幹部、特に腹部(お腹)周りの大きさが目立ってしまうからだろう。

 高橋のトップスピードは非常に高く、重量級の選手特有の『体重を活かした地足』が持ち味ではない。単にお腹が出ているのではなく、その深層部には相当な強い筋肉が隠れていると推測される。ダッシュも良いし粘りもあるのだ。大腿四頭筋の筋肉の上部(股関節に近い所)が発達している事がダッシュにおいてポジティブに働いているのだろう。

 スピードに優れた人間ばかりのナショナルチームに所属していた事もあり、その中では目立ってこなかったが、高橋のカマシ、持久力は競輪においてかなり高いレベルと言える。何より愛嬌のある表情、全体的にムチムチした身体フォルムで人気が出そうなタイプ。ご飯をたらふく奢ってあげたくなる。

●坂井洋

撮影:島尻譲

 身長171cm、体重は72kgと競輪選手としては小柄な部類に入る。

 一見細身に見えるのだが身体バランスは抜群。関節周りの要所要所にバランスの取れた筋肉がしっかりと付着しており、上半身のフォルムは秀逸。トップレーサーに比べると全体的な筋量は足りてないが、スピードのキレは充分上位に通用している。

 しかし競輪は“キレ”だけでは勝てない。更に上を目指すには物理的な筋量増加(体重増加)が必要だろう。

 スプリンターらしいキレのある下半身の坂井だが、より競輪的な観点で言うと骨盤周りの筋量(腹筋下部〜太もも上部)が不足しているのでは無いか。競輪が強くなる為には技術などの要素も大きく関わってくるので一概には言えないが、ここのコラムは技術的な事は置いといて見た目、筋肉にフォーカスを当てたコラムですのでそのように楽しんでもらえると嬉しい。

 しかしながら坂井、イケメンである。競輪界イチ、指ハートが似合う男である事は間違いないだろう。

 余談だが上記で筋肉診断した高橋晋也と坂井洋は同期(115期生)、同級生、さらには誕生月も同じときた。見た目が相反するその2人が115期生の出世争いを演じているのはまるでドラマのようだ。今後も注目したい。

●本レースで注目すべき選手は…?

 ダービー王・松浦悠士選手が中心となる。これは紛れも無い事実だろう。捲くりが強く先行も出来る。番手戦も超一流と抜け目がない。

 そこに対抗してくるのは地元北日本勢。牽引役の高橋晋也の出来が大きなポイントになってくる。古性優作選手率いる近畿勢も侮れない。番手に稲川翔選手が居れば総合力は松浦に対抗出来る。

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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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