netkeirinをご覧の皆さんこんにちは、金子貴志です。今回は音楽について書いていきたいと思います。

息子たちのライブを観にライブハウスへ

　実は私の息子はバンド活動をしています。小学生の頃から4人組で活動していて、豊橋競輪場のイベントで演奏したこともありました。初めて「ベースを買ってほしい」と言われたときは「ボーカルやギターじゃないとは渋いな」と驚きましたが、メンバーは皆幼なじみということで楽しくやっている子どもたちの姿は見ていて微笑ましかったものです。

　先日、すっかり大きくなった彼らのライブに行ってきました。「GRESTA(グレスタ)」というバンド名で、小学5年生から活動しています。小学生の頃はかわいらしい歌声でしたが、高校生になった彼らは声変わりもしており、大人の雰囲気を醸し出していました。私はライブハウスに行くのは初めてで、会場はメンバーと観客の距離感が近く、一体感あるステージに感動しました。

　この他にもいくつかのバンドが登場し、最後にはインディーズバンドが演奏してライブを締めました。演奏力やボーカルの声質など、どのバンドも個性があって素晴らしかったです。こういったバンドは星の数ほどあって、最後まで輝き続けられるバンドは一握りもないのでしょう。実力があるバンドのすべてが、大きな会場で数万人を集めるようなライブを成功させられるわけではないのですから、本当に厳しい世界です。そして一度大舞台を味わったら、その刺激はきっと忘れられないのではないでしょうか。

今しかできないことを楽しんでほしい

　昔、どのバンドもメジャーデビューを目指しているわけではないと聞いたことがあります。レーベルに所属することで、かえって自分たちの表現したいことができなくなってしまう場合もあるそうなのです。

　今は昔と違って、メジャーデビューしなくても自分たちでYouTubeやSNSから発信することができます。息子たちのような学生バンドが、ひょんなことから有名アーティストとのコラボを持ちかけられることもあるそうです。実力は勿論ですが、タイミングや運も大事なのかもしれません。幼いころから知っている「GRESTA」の皆には、今しかできないことを楽しんでほしいと思っています。

羨ましいまでの「無限の可能性」

　どのバンドのメンバーも皆、楽しそうに演奏していて目は輝いていました。一つの目標に、純粋な気持ちで向かっていく若者は本当に熱く、エネルギッシュです。ライブハウスでは私の想像以上にそれを感じました。歌も心に響き、感動しました。恐れを知らないエネルギーに私の心も燃え上がりました。彼らの若さや熱さ、エネルギーは、羨ましいくらい可能性に満ち溢れていました。

　それぞれのバンドにはファンがついていて、ステージを盛り立てていました。今回生のライブを見たことで、彼らが持つ人の心を惹きつける魅力がわかりました。

　私はそこまで音楽に詳しいわけではなく、これまで流行りの曲を嗜むくらいでした。昔はテレビやラジオ、CDで聴くのが主流でしたが、今はサブスクリプションやYouTube、SNSなどがメインになって、そのおかげでより音楽が身近になったと感じます。

　今回のライブをきっかけに、自然といろんなアーティストの曲を聴いてみたくなりました。自分の好きなものばかりではなく、幅を広げて聴いてみると、落ち着く曲や気持ちが高ぶる曲に出会えます。この曲はどうやって生まれたんだろう、どんな思考回路で作曲するのだろうと、これまで世になかったものを作り出すアーティストへの尊敬の気持ちがふくらみました。

夢追う者の瞳の輝き

　演奏を聴いていて私もプロを目指していた時を思い出しました。一つの目標に向かって突き進んでいた頃は何も恐れるものはなく、エネルギーの塊でした。朝から晩まで自転車にまたがり、競輪選手になるという夢を叶えるためガムシャラでした。

　ライブで演奏する少年たちは、夢中で音楽を楽しみ、とても瞳が輝いていました。彼らに与えられたステージは30分程度ですが、その30分のためにたくさん練習をしてきたのでしょう。競輪のレースもお客さんの前に出られる時間はたった3分ですが、そのために費やした時間は計り知れません。音楽と競輪というまったく違う世界ですが、ひとつのステージにかける思いを自分たちと重ねてしまいました。

　もし、私に音楽の才能があったら、どんな人生だったでしょうか。自分が作った曲を大きなステージで、たくさんの観客に聴いてもらう… そんな経験もしてみたかったかもしれません。ある日突然、才能が芽生えたりは… ないでしょうね(笑)。

　若さは巻き戻せませんが、彼らのエネルギーに刺激を受けて、前を向こうと思います。大人になると、無意識に「できる」「できない」を決めつけてしまいがちですが、彼らからみなぎる「無限の可能性」を目にして、私も貪欲に前進する気持ちを忘れないようにしなければと思い直しました。私は自転車とともに、自分を表現できるように頑張っていきたいです。

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