2025/09/07 (日) 12:00 6
松阪競輪場で「ウィンチケットミッドG3」が9月8〜10日に開催される。昨年度の佐世保、小松島、そして今年度は武雄と松阪で今回はミッドGIIIとして4回目の開催になる。ファン層の拡大、またいろんな時間帯で楽しむ人たちのために、多種多様なサービスを提供していくというのが、現在のJKAの狙いである。
ケイリンアドバンスもそうだが、いろんなことを試し、将来的に長くファンにファンで居続けてもらえる下地を作る、失わない。世の中の環境が変化しているので、柔軟な姿勢でいることが強く打ち出されている。選手たちもモーニングからミッドナイトまで、順応し、対応している。
追加で入った新田祐大(39歳・福島=90期)は2月小松島ミッドGIIIも走って準優勝。深夜でも問題ない。そもそも多くの人が証言するのは「新田は強い」。人体として強いというのが、新田の強みだ。ホワイトタイガーの鋼の肉体は誰もが恐れるもので、来年1月、40歳になっても、進化を続けるだろう。
ナショナルチームを支える仕事もしながら、いろんなことに挑戦している。競輪界であり、競輪選手の挑戦の流れは、素晴らしいと感じている。
中釜章成(28歳・大阪=113期)の優勝はないか。2月豊橋全日本選抜(GI)での暴走失格での長期あっせん停止から復帰し、力強い走りを見せている。ちょっと怪しいキャラクターというのが定着しているが、レースでの燃える走りも定評がある。
走れなかった時期は中釜的に言えば「圧倒的破産」だったわけだが、6月復帰後の戦いで取り戻そうとしている。しかし、勝負をかけた地元岸和田の高松宮記念杯(GI)、そしてチャンスがあった7月京王閣3日制GIIIでは、「金持ち」ステージに行き着くことができなかった。
特に京王閣決勝は2角で「ドリフトしてしまった」と後輪が滑ってしまい、伸びを欠いて3着止まり。あれがなければ…、という流れだった。欲が空回りした感じかと思うが、その欲は力そのもの。今回もどう猛に求めるものを求めてほしい。
実力者や勢いのある若手も揃っているので、今回も盛り上がること間違いなしだろう。
ガールズケイリンの方は何でもできる吉川美穂(32歳・和歌山=120期)が優勝候補の筆頭だが、若手自力型が目白押し。一番の注目はナショナルチームにも所属するスーパーダッシュの酒井亜樹(23歳・大阪=128期)で、今回のメンバーで結果を残せるか…は気になるところ。グランプリ級、を証明できるか。
また酒井と同期の半田水晶(27歳・茨城=128期)は先行意欲が高く、将来性が大きい。師匠の芦澤大輔(42歳・茨城=90期)も「昭和なところがある」とたくましい選手として期待している。今は結果ではなく内容だと思うが、逃げ粘るド根性の走りを見て、深夜に熱くなってほしい。それにしても芦澤の川崎決勝の動きもすごかった…。
地元の竹野百香(23歳・三重=124期)や熊谷芽緯(21歳・岩手=124期)も強い。激闘間違いなしのシリーズで、自力選手たちが意識し合うなら、好位を確保する伏兵の連絡みで好配当も出るだろう。8月静岡でデビュー6年目にして初優勝を飾った三森彩桜(25歳・福島=116期)からも目が離せない。
X(旧 Twitter)でも競輪のこぼれ話をツイート中
▼前田睦生記者のXはこちら
前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。