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環境の基礎は“imagine” 〜想像してごらん〜 / 浅井康太

2022/12/22 (木) 20:00 17

 “浅井康太への100の質問”

 こんなことをやりませんか? と担当者から相談が入りました。

 私の答えは…

「はい!! 嫌です!!w」

 楽してお金をもらうなんて考えたことがない。

 私自身が悩み、考え、少しでも苦労をして書くことで読者の方に私の言葉や気持ちが100%伝えられる。そして、私自身の成長にも繋がると思っています。簡単に済ますことのできる仕事は“らしくない”と思い拒否させてもらいました。もちろん、競輪ファン皆様の希望があればそんな時があってもいいと思いますので、ぜひご意見を『netkeirin』までお伝え下さい‼︎

 さて、ここからが本題です。

 生きていれば誰でも人付き合いはありますよね。そこで、今回のテーマに入っていきたいと思います‼︎

【環境づくり①】〜「作る」ではなく「創る」〜

『嫌な先輩、いい先輩』

『居心地のいい場所、居心地の悪い場所』など

 成長する為には環境がとても大切といわれます。今のあなた自身がどう動き、どこへいくべきなのかを今一度考えてみましょう。

自分自身の成長のために必要なこととは…(撮影:島尻譲)

 こんな言葉を耳にした事はありませんか??

 第三者からの「環境を良くしてやれ」

 当事者達の「現場の雰囲気をよくしないとね」

 ・自己中心的だと…嫌われる。

 ・厳しくすると…嫌われる。

 ・怒ると…嫌われる。

 大抵の人間は何か指摘されると嫌いになり、距離を置く。そして相手に対して心を閉ざしてしまうのではないでしょうか。「今の若い子達に多い」ではなく、若い世代に多い気がします。もちろん、私も若い頃は厳しい人や怒る先輩が嫌でした。

 しかし

 ・人に優しくし、居心地のいい場所にすることだけが正しいのでしょうか!? いい環境なのでしょうか?

 ・人に厳しくされ、叱られながらついていく。しんどい場所=悪い環境なのでしょうか!?

 それは違います!!!

 まわりの環境よりも本人がどのような考えを持っているかが重要です。強くなりたい、成功したいと思う人はどこを目指すのかをまず“imagine”してください。それが将来の自分自身を“創ってくれる”でしょう。

環境よりも重要なのは“本人の意思”(撮影:島尻譲)

 ※ここで豆知識

『創』と言う文字には、『初めて作り出す、はじめる』という意味があります。

 “imagine”して初めて、自分がなりたい人物像が出てきます。そこがあなた自身を作り出す“はじまり”ではないでしょうか。

 1がわかっていないのに10を目指してやるのではダメ。いつも私がトレーニングにおいて大切と伝えている基礎ですが、自分を作っていくうえでも基礎(目指す場所)をしっかりと理解することで、将来の自分を創りあげることができるのではないでしょうか。意志意欲を再確認し自分自身の心の環境を整えてみましょう。

【環境づくり②】〜心・技・体〜

 心の環境を整えると、やるべきことが見えてくる。

 次にやるのは技術と体力の強化です。我武者羅に取り組むことも大切かもしれませんが、当たって砕けろパターンになるはずです。まずはこんな人を探してみてください。

 ・目指す場所が同じ人

 ・自分よりも知識のある人

 ・自分よりも経験のある人

 一番大切にして欲しいのが『目指す場所が同じ人』です。

 もし、このような人を見つけたら厳しくされても耐えてください。必ず成功に繋がります。厳しいのではなく、自分のスキルが低いから厳しくされてるように感じるだけです。その人達は必ず成功する鍵を持っている。

 私は若い時に“山田山口加藤”の3人の先輩からの厳しいレース指導を受けてきました。その時、私には見えていない部分がこの3人には見えていたのだろうと感じています。未熟だから厳しく感じ、嫌だ嫌だとなっていた。今思えばその場所が“いい環境”だったのだと思います。

 グランプリやタイトルを目指す3人を身近に感じ、その厳しさに耐えることができたからこそ自分自身もタイトルがとれた。そして、深谷君が出てきた時には目指す場所が同じ金子さんや幸二さんとの合宿も取り入れました。深谷君は中部の後輩だけれども、私は深谷君を追いかけました。この時から必ず関わるべき人間だと感じていた。

深谷知広選手(撮影:島尻譲)

 厳しい人や厳しい場所が本当は、自分自身の能力(技術・体調)をアップさせてくれる“いい環境”なのだと思えるようになればひとつステップアップできるかもしれません。

 いい環境作りをするのではなく、目指す場所が同じ人間の集まりならば自然といい環境になり“active”な人間になれる。そして、各自が自分自身を“create”していける環境ができるのではないでしょうか。

 ・優しくしてくれる

 ・居心地のいい場所

 ・怒られない

 こんな場所はいい環境ではない可能性もあります。今の環境を再確認してみては如何でしょうか。知識がなく、能力もないけど優しい、居心地がいい。そんな場所で自分が目指す場所に辿り着けるのかを考えたら…わかりますよね。

自分が目指す場所に辿り着くために…(撮影:島尻譲)

 私はいつまでも成長し続けたいから、ライターさんに甘えたり、簡単に書ける質問や近況報告など書かないようにしています。考えて悩んでコラムを書くことがほんの少しでも成長に繋がると信じている。

 これが私の“いい環境”です。

 このコラムを通して私自身の経験で得たことを伝え、読者の方の何かを掴むきっかけになって欲しいと思い書いています。人生は何かのきっかけで幸せを得られます。そのほんの少しのきっかけになれたらそれが私の喜びです。

 〜最後に〜

 仕事に関しての“いい環境”を見つけることで能力をつけ、後輩に伝えられる。そして、その時初めていい環境を作る側の人間になれると思います。結果を出し、理解をされる人間にならない限り人は付いてくることはないだろう。それ以前に目指す場所が違えば誰もついてこないんです。

 私はそれも経験済みでございます(笑)。

 今後もタイトルを狙い続けますので応援よろしくお願いします‼︎

(文中敬称略)

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浅井康太

Asai Kota

1984年、三重県生まれ。日本競輪学校90期卒、ホームバンクは四日市競輪場。2005年7月松坂競輪場にてデビュー。第20回寛仁親王牌(GI)で特別競輪初優勝を決めた。その後もKEIRINグランプリを2度制するなど競輪界の中心選手として活躍、中部を牽引する存在としていまなお進化を続けている。キーワードは「KEEP LEFT」

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