2023/04/24 (月) 18:00 54
競輪界では地元記念に向けて頑張る人が多い気がします。 もちろん私もその中の一人です。そして、関係者の方からも期待される。かなりプレッシャーはありますね。
先日、31回目となるGIIIを優勝することができました。 地元記念は5回目!!!
それにしても長かった…。
若いころにはもう少し簡単に獲れていたような気がしますが、最近は準決勝をクリアすることに必死な私がいます。 これも年齢と共にくる力の衰えなのかもしれません。
なぁぁぁんてね(笑)。
まだ体力の衰えは感じていない38歳!!!
やるべきことは何なのかを今一度考え直し、結果に繋がる努力をしていきたいと思っているところです。
まず一つ目は“シューズ”です。
プラスチック製のソールからカーボン製のソールを使用しているシューズに変えました。 いいのか、悪いのか…。
「正直、わかりません!!!」
地元記念から使用を開始しましたが、開催期間中も試行錯誤。 そして、次の開催ではインソールの変更やサン(ペダルとシューズをひっかける部品)の変更と、とても悩んでいるところです。
ガラケー世代のあなた!!!
初めてスマホに変えるときに不安ではなかったでしょうか??? ほんの少しでも何かしらの抵抗はあったはずです。 ガラケーに慣れ、ガラケーから離れることができずにいませんでしたか???
私は、シューズに対してそのような感覚がありました。
なかなか慣れたモノから離れることができずに、選手として17年。最近、モノに対しての考え方を変えたことがきっかけです。
古いモノが悪いとかではなく、新しいモノというのは、最新の機能性を考えられている。
「以前のモノよりいいモノを!!!」と思い、作られているはずです。今のレベルを維持すること、今成績を残すことには、モノに対してのイメージを変える必要があると思いました。
しっかりとモノにしたいです(笑)。
次に“ライン”です。
正確に伝えると味方を“増やす”ですね。 今までは中部地区・近畿地区の選手とだけラインを組んできましたが、四日市記念の決勝戦は違いました。
「番手に付いてください」。嘉永君の一言。
…とても悩みました。
中部・近畿以外の選手に付くことが、私の競輪道から外れているような気がしていたからです。
しかし、中部・近畿の選手が不在だったということもあり、熊本の嘉永君の番手を選びました。
福島の佐藤慎太郎選手は北日本・関東・南関東に付く姿をよく見ます。いわゆる、東日本という考え。それを参考にさせてもらった感覚もあります。
今後は“西日本”という考えを持ってラインを形成することで何かが変わるかもしれない。結果より、結果を出す為の“可能性”を高めることで結果に繋がる。 そう信じています。
いつまでも頑固な考えでいてはいけない。 今の時代の流れに乗ることが最高の結果に結びつくはずです。
悩んで、考えて、またその先で笑顔になれるよう、しっかりと今を生きていく。
嘉永君とのやり取りの中でこんなことがありました。
「学生時代に浅井さんが熊本競輪場に来た時、サイン頂きました」
急に言われたので、私は思わず
「おぉ、そっかぁ」
と、照れ隠し(笑)。
こんなことがあるから弱くなりたくないんだよな〜。
昔、サインを書いた少年の前で弱いところは見せたくない。私はそう思う人間です。
もちろん年齢と共に弱る部分はあるかもしれませんが、頑張ることをやめるのはもっとダサい。
私は一人の青年から頑張るきっかけをもらいました。
ありがとう。
浅井康太
Asai Kota
1984年、三重県生まれ。日本競輪学校90期卒、ホームバンクは四日市競輪場。2005年7月松坂競輪場にてデビュー。第20回寛仁親王牌(GI)で特別競輪初優勝を決めた。その後もKEIRINグランプリを2度制するなど競輪界の中心選手として活躍、中部を牽引する存在としていまなお進化を続けている。キーワードは「KEEP LEFT」